【桂小太郎】家族兼幼馴染み

死の呪文 ページ38

*


『さてさて桂一派の皆さん並んでくださーい』


新たな潜伏先、というかまたここの潜伏先もバレてしまうので、仮の潜伏先か。そこにうちの浪士たちを集め並ばせる。その浪士たちの目の前に立つのは小太郎と私。


「残念ながらこの桂一派に裏切り者がいるそうだー！ 今ならAも俺も怒らないぞー」


小太郎が学校の先生的なノリで言った。小太郎の一言で浪士たちがざわめきだす。


『はい、静かにー！ みんな目を閉じてー絶対目開けたらダメだからね。じゃあ真選組から潜入してきた裏切り者、手を挙げてー！！』


「じゃねェだろオオオ！！ Aさん桂さん！ こんなので裏切り者が見つかるとでも！？」


最前列にいた浪士が私たちにツッコミをいれた。名前は知らないのでモブ浪士とでも言おう。


「まぁ、俺たちもそんな簡単に裏切り者が見つかるとは思っていない。そこでAが有力な手がかりを掴んできた。」


『聞いて驚け。私は馬鹿から聞き出してきた。なんと裏切り者は、真選組の監察で死の呪文みたいな奴で、ミントン野郎らしい！！』


すると浪士たちは、一斉にある人物の方へと視線を向けた。そのある人物は、ミントンを手に持ち「え」と言う。


「お前かアアア！！ 天誅うううう！！」


『待てえええ真選組いいいい！！！』


「うわあああ！ てか死の呪文って何！？」


そう叫びながら、監察の死の呪文でミントン野郎は逃げ出して行った。まあ兎にも角にも裏切り者は見つかったのだった。新八君がこの場にいたらツッコミをいれまくるんだろうなと思う。

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