06 テンション上げてこ ページ6
.
頼まれていた荷物受け取りや雑用をこなしていたら、時間はもうお昼時になっていた。
コピー機の前で喝を入れるためにパンパンと自分の頬を叩いていると「よっ！」と誰かに肩をバシリと力強く叩かれた。
『いっ、て…って、純喜か』
「なんやその顔！悪かったな俺で！」
『声デカイよ』
キィンと耳が痛くなるほど大きい声に、今度は私からバシッと肩を叩き返す。
「いったー！」と叫ぶこいつの名前は河野純喜。
純喜は営業部だから部署は違えど数少ない同期の1人。パワフルボイスの営業マン。
忘年会でカラオケをしたときに歌が上手すぎたのと持ち前の人柄の良さで社内の人気者…って、このオフィス人気者のイケメンしかいないけど大丈夫？
乙女ゲームか？？
口を開けっぱなしにしながらニコニコしているこいつも、俗に言う爽やかイケメン。
上司に運ぶようにと頼まれていた〈事務室〉と書かれた私の足元のダンボールを見るなり「これ俺もってこか？」とさりげなく言ってくれる。
『純喜…！』
「おうおうようやく惚れたん？」
『台無し感すご』
「はぁっ！？なんでやねん！」
與那城さんに頼まれていた資料をコピー機の上でトントンと整えている間に、純喜は2つあるダンボールを「よいしょっ」と持ち上げた。
『…あ、ごめん、いいよ私持ってくから』
「ええってええって！それよりお昼休み瑠姫と約束したんやろ？」
『えっなんで知って…』
「瑠姫楽しみにしとったから、早よ行ったり！」
純喜はそう言って、ダンボール箱で私の背中をぐいっと押した。
気が使えて優しいところ、入社初日から変わってないな。
『ありがとう、今度夕飯奢る！』と言って私はコピー室を後にした。
オフィスに戻ってパソコンと睨めっこしていたる瑠姫に、一緒にランチ食べるの純喜にわざわざ報告したの？私のこと好きなの？って言ったら「は？？？」ってブチ切れられた。
…ごめん純喜多分私たち絶交される。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1034人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あや - プデュのシリーズから見てます♪つ、続きがとっても気になる…みんな可愛らしくて、不器用で、きゅんきゅんしまくりです…！作者さまの、自然な文体がとっても読みやすくてわかりやすくて、とっても好きです！応援してます♪ (2021年2月28日 16時) (
レス) id: d5dd789089 (このIDを非表示/違反報告)
りんごじゃむ(プロフ) - ぬっとさん» わ〜！ありがとうございます！！さすが国民の初恋ですよね可愛さNo.1！！これから幼馴染の豆原くんを楽しんでくださると嬉しいです！！更新頑張ります！！ (2020年8月2日 20時) (レス) id: 009a13994c (このIDを非表示/違反報告)
ぬっと(プロフ) - 豆かわいいです〜(*´-`)更新楽しみにしてます！ (2020年8月1日 3時) (レス) id: db7e1eb0c8 (このIDを非表示/違反報告)
りんごじゃむ(プロフ) - とこさん» お待たせしてしまってごめんなさい！！ぜひこれからも楽しみに待っていただけたら嬉しいです！！ (2020年7月27日 7時) (レス) id: 009a13994c (このIDを非表示/違反報告)
りんごじゃむ(プロフ) - きのはさん» コメントありがとうございます！！大変長らくお待たせしました！！少しずつ頑張ります〜ッ！！！ (2020年7月27日 7時) (レス) id: 009a13994c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんごじゃむ
| 作成日時：2020年5月22日 22時
