75 月に照らされ輝いて ページ40
.
とりあえずあの後は女装のお披露目の時間が来たらしく、あの場にいた練習生たちは私に色々言い捨てながら何処かへ行った。
よく内容は聞いてなかったけど散々怒られたのは覚えてる。黙って見学行ったことに関して。
マジでこれ「主人公のHPとメンタルはゼロらしい」だよこれ…ちょっと何言ってるのかわかんない。
……そしてその後もいつも通りの時間が過ぎて、あっという間にコンセプトバトルが終わった。
私は雑用しかしなかったけど。どこが1位だったのか知らんけど。
そしてコンセプトバトルの順位発表が終わった日の夜。私の部屋に来客が来た。
『…はーい………って、ヒチョンさん？』
ヒチョン「こんばんは、A」
ドアを開けた先に立っていたのはジャージを着たオフモードのヒチョンさん。
私はいつもだったら『なんですか眠いから帰れ』と追い出していたけど、なんかそんな空気じゃない気がする、多分。
不思議に思って首を傾げると、ヒチョンさんは決まり悪そうに視線を下に向けた。
ヒチョン「……あのー、ただ、会いたくて来ました」
『…え？』
ヒチョン「会いたくて、来ました」
『そ、そっすか…』
食い気味にそう2回言われて、私は戸惑いのあまり何も言い返せなかった。
しかし数秒後「はじめて出会ったとき、かわいくないこだなって思ったんです」と唐突のdisである。マジでこの人ホント…ダメだわ…
『喧嘩なら買いませんよ眠いんで…』
ヒチョン「ふはは、相変わらずですね」
『…褒めてます？』
ヒチョン「ちなみにみんながいうほど、可愛くないではないです」
『ちょっとわからないけど傷ついた』
そう言い返すと、アハーッ！と豪快に笑うヒチョンさん。マジで殴ろうかな。
今の彼が何を考えているのか何をしたいのか何を伝えたいのか、全くわからない。まあ今までわかったことないけど。
ヒチョンさんはいつも通りの無表情に戻って、手に持っていた銀の箱をぱかりと開けた。
中には何種類ものカラフルな腕時計が廊下の光に反射して、キラキラと光っていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1358人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マァ(プロフ) - 久しぶりに読んでも楽しいし泣けました。 (2023年2月24日 11時) (
レス) @page50 id: 72e8f2e0cc (このIDを非表示/違反報告)
雪りんご(プロフ) - こんにちはりんごじゃむさん！日プの新作とか出すつもりあるでしょうか？？すごくみたいです！！ (2020年8月13日 4時) (レス) id: d343e70c28 (このIDを非表示/違反報告)
りんごじゃむ(プロフ) - go to the topさん» こんにちは、返信が遅くなってしまい申し訳ありません！転載のお話ですがもちろん可能ですよ！！私の作品が多くの中国JAMの方に読んでもらえることを心から願っています！その際はぜひ名前の記入をお願い致します！ (2020年8月9日 19時) (レス) id: 009a13994c (このIDを非表示/違反報告)
go to the top - こんにちは、りんごじゃむ先生！翻訳してからLOFTERに転載してもいいですか。中国にもJAMがたくさんので、原作者を明記するのを忘れられない。 (2020年7月10日 16時) (レス) id: d57e1e7b99 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気に読んでしまいました！他の作品も楽しみにしています！ (2020年6月28日 4時) (レス) id: 5f1fa35d0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんごじゃむ
| 作成日時：2020年3月30日 18時
