Stimulus【リーダー】 ページ5
大波を乗り越え、一息をつくパイレーツバンド一行を乗せた船は平凡な海を渡っていた。
目的地まではまだ程遠い。
暇で暇でどうにかなってしまいそうなAは甲板で釣りをしていたが、これもまたヒットする気配はなく暇潰しにはならなかった。
息付く間もない時はそれこそ辛いが、逆にここまで暇なのも辛い。
『……りぃーだぁー』
「何だ」
『暇何だけど』
「俺もだ」
何となく隣にいたリーダーに話しかけたら、彼から暇を持て余しているかの様な声色が返ってきた。
『お得意の歌で何か気分盛り上げてよ』
「ボーカルはお前もだろ」
『いやいや、リーダーには敵いませんって』
淡々と会話だけが進む。
時間が止まっている様だ。
釣竿の糸もしんと静まり返っている。
「刺激が足りねぇよなぁ…」
『刺激、ねぇ』
リーダーの呟いた一言に、Aは考え込んだ。
落ち着いた様子の海面に視線を落とす。
暫くして、Aはにぃっと口角を上げた。
そして釣竿を床に放り捨てると、甲板の柵の上に登った。
ギョッと驚くリーダーの腕を掴み、そして息を大きく吸い込む。
柵を飛び越え、リーダーを道連れにしたAの体は、そのまま海へと真っ逆さまに落ちた。
ﾄﾞﾎﾞﾝｯｯ
水面に叩き付けられた痛みの直後、全身が冷たい感覚に包まれる。
『ぷはっ』
「っげほ…！馬鹿野郎！！寿命縮める気か！！」
『ははは！でも良い刺激になったでしょ』
水面から顔を出したAが爽やかな笑顔で笑っている。
そんなAを見て、リーダーは怒る気力も失せてしまった。
「…はぁ…なんつーか、あれだな。見かけによらず可愛い事するんだな」
『は……？………、…！！』
ポポポっと顔を赤らめるAに「船に戻るぞ」と言い、顔を背けるリーダー。
海水に浸かっているというのに、顔が、体が熱い。
____あんなカオも出来たのか…。
____普段あんな事言わないクセに…！！
お互いに、明日は嵐だな…と思いながら、仲間が下ろしてくれたロープを伝って船に戻る2人だった。
私だけが知っている【トリック】＊→←余裕のない彼が【アントーニオ】
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うねゆ(プロフ) - みつはさん» そうなんですごめんなさい〜(>_<;)募集再開した時にまたコメくれると嬉しいです…！ (2018年9月4日 11時) (
レス) id: 2ba56a09e4 (このIDを非表示/違反報告)
みつは - ごめんなさい！リクストップでしたね^^; (2018年9月1日 0時) (レス) id: 7451b40fcd (このIDを非表示/違反報告)
みつは - トリックさんとの作品が読みたいです！ (2018年9月1日 0時) (レス) id: 7451b40fcd (このIDを非表示/違反報告)
うねゆ(プロフ) - コーメさん» こちらこそありがとうございました！リク受付再開した時にでもまたよろしくお願いします〜！ (2018年8月29日 19時) (レス) id: 2ba56a09e4 (このIDを非表示/違反報告)
コーメ(プロフ) - こんにちは！ありがとうございました！めっさ素敵です♪今度またリクエストさせていただきますね！ (2018年8月29日 18時) (レス) id: 08b329afd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うねゆ | 作成日時：2017年8月18日 22時
