無自覚マーキング2【ホラウソー】 ページ14
時々、いや、かなり、彼の行動に首を傾げてしまいたくなることがある。
今だって、任務を終え帰ってきたなら先ず船長に報告しに行く筈なのに。
『……どうか、した？』
どうせ嘘しか返ってこないだろうと思いながら訊ねる。
すると、彼は急に顔をずいっと近づけて目を合わせてきた。
まつ毛、長い、なんて見当違いなことを考えながら動けずにいると、唇に少しカサついて温かい感触がした。
突然のことで、声すらも出なかった。
目の前の彼はいつもの笑みを浮かべていた。
｢帰ってくるのを楽しみに待ってたんだろ？嬉しいって顔が隠しきれてなかったぜェ｣
『っは？！うそ、』
｢オレが気づかないとでも思ったか？ま、オレの勝手な自惚れだったら謝るけどな｣
嘘だ、最後の言葉は。
あんな確信した顔しておいて、おまけに謝る気も絶対にない。
いや、それより、そんなに顔に出ていたのか私は。
落ち着け、と自分に言い聞かせて煙草を吸うが、勢いよく吸いすぎてむせた。
おまけに口の中がヒリヒリし始める悪循環。
おいおい大丈夫かよ、と隣から声を掛けられるが、笑いが少し含まれているのが聞き取れた。
誰のせいだと、視線でそう訴えるがソーは｢そういや船長に報告しに行かねえとなァ！｣と言って、私の頭をくしゃくしゃに撫でてから行ってしまった。
『……逃げられた』
1人になって呟く。
どこまで距離が縮まっても、彼のことは理解出来なさそうだ。
そもそも嘘で塗り固めて出来たような男なのだから、無理に決まっているのだろうが。
女々しくも唇を指先で撫で、彼の言葉を思い出す。
パイプの中の火が静かに燃え尽きようとしていた頃、ソーが煙草の匂いを見にまとい船内を歩いていたことを、私は知らない。
続く
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うねゆ(プロフ) - みつはさん» そうなんですごめんなさい〜(>_<;)募集再開した時にまたコメくれると嬉しいです…！ (2018年9月4日 11時) (
レス) id: 2ba56a09e4 (このIDを非表示/違反報告)
みつは - ごめんなさい！リクストップでしたね^^; (2018年9月1日 0時) (レス) id: 7451b40fcd (このIDを非表示/違反報告)
みつは - トリックさんとの作品が読みたいです！ (2018年9月1日 0時) (レス) id: 7451b40fcd (このIDを非表示/違反報告)
うねゆ(プロフ) - コーメさん» こちらこそありがとうございました！リク受付再開した時にでもまたよろしくお願いします〜！ (2018年8月29日 19時) (レス) id: 2ba56a09e4 (このIDを非表示/違反報告)
コーメ(プロフ) - こんにちは！ありがとうございました！めっさ素敵です♪今度またリクエストさせていただきますね！ (2018年8月29日 18時) (レス) id: 08b329afd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うねゆ | 作成日時：2017年8月18日 22時
