【d!】仮初の言葉でも (ページ5)

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1幕4場ページ5

「着いたぞ。ここだ」

しばらくグルッぺンさんについて行って辿り着いたのは

かなり豪華な広い劇場だった

さすが有名な実力派劇団と言われるだけある

『､､､失礼します』

グルッぺンさんに着いて中に入る

中には広い稽古場を使って演技の練習をしているメンバーが何人かいた

グルッぺンさんがパンパンと2回手を叩く

すると練習を止めてこちらを見た

「新メンバーを連れてきた、今からオーディションだ」

え、今から？

さすがに怖い

メンバー達の視線もかなり冷たい

「､､､グルさんそれ誰なん？ちゃんとした実力ある人なん？」

あれは確か優しくておおらかな演技が特徴のトントンさん

子供からお年寄りまで広い世代に人気のある役者だ

「俺はこいつの才能を認めている。だがこいつは自分の実力に自信が無いらしい」

､､､勝手にわたしについての説明をしないでほしい

「自分に自信がないような奴は役者名乗る資格ないで」

あれは確か声が大きくて良く通る舞台専門俳優のコネシマさん

ファンに対しての塩対応で有名だったはず

なるほど確かにかなり冷たい

「え〜別嬪さんやん名前なんて言うの？」

軽く口説きながら近づいてきたこの人は女性人気の高い鬱さん

コネシマさんと違いファンサービスが多く

ファンの中にはガチ恋勢もいると聞く

､､､一応名前は名乗っておくか

『､､､花宮Aです』

「じゃあハナちゃんやね〜仲良うしよ」

『よろしくお願いします』

わたしが鬱さんと会話をしていると後ろから声がかかった

「まーたお前は女の子に手を出そうと！､､､ごめんな、花宮さんやっけ」

､､､この人はロボロさんだ

テレビで見ていた時より小さく見える

「あっ今テレビ出てる時よりちっこいな思ったやろ！」

勘が鋭い､､､人の感情に敏感なのかな

さすが役者だ

今いるメンバーはこの4人だけらしい

帰りたいという気持ちを込めてグルッぺンさんを見上げる

「ん？ああ、オーディションか、早速やろうじゃないか」

､､､ダメだこの人はわたしの感情を全く読みとってくれない