【d!】仮初の言葉でも (ページ23)

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3幕6場ページ23

「────カル、ロッタ！血が､､､」

「今の悲鳴は───､､､え、クリスティーヌ？」

さすが鬱とロボロ

ちゃんと約束通り『アンドレとフィルマン』のまま来てくれた

そして2人は私の血塗れの腕と

クリスティーヌの持つカッターを

交互に見つめて絶句する

姫宮は今更私の思惑に気づいたようで

慌ててなにか弁解をしようとしていたが

『クリ、ス、ティーヌが､､､主演は、わた、し、なんだから！って、いって、刺して､､､きて』

姫宮には何も言わせない、と思いつつ

涙を流す悲劇のヒロインの演技をする

「っ、カルロッタさん！私何も」

『うそっ、つかないでぇ！』

「､､､！」

ふふ

内心はもう少し微笑みながら演技を続ける

､､､でもね、私はあんたとは違う

もうここでおしまいなの

姫宮は主役

私は脇役で、悪女の役

貴方を悪役にしたてあげようと思っても出来ない

────でも、貴方がヒロインでいられるのは

この公演が終わるまでのあと数十分だけよ

都落ちの覚悟は出来たかな？