【d!】仮初の言葉でも (ページ21)

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3幕4場ページ21

『､､､』

姫宮は相変わらず余裕の微笑みを崩さない

ふん､､､今はまだそのままでいい

でも見てろ今からは私の出番だ

その面ぐちゃぐちゃに汚してやるよ

私はふうっと息を吸う

『────あら、クリスティーヌじゃないの』

あくまで狡猾で高飛車で嫌な女を演じる

まずはこれでいい

姫宮もさすがに今回は私に飲まれたりはしなかった

､､､その調子だ、観客の心も掴んだ

敵意を向けるカルロッタと怯えるクリスティーヌ

そこに現れるは支配人の2人

､､､鬱とロボロだ

「ああ、カルロッタ────どうしたんです」

「カルロッタ！、何があったんだいそんなに大声を出して､､､」

おお、さすが大人気俳優というべきか

登場だけで少なくない数の観客が盛り上がるのを感じた

負けてられない､､､

『ああ───アンドレにフィルマン！ねえどういうことなの、次の主演は私じゃなくて────』

「ああ、クリスティーヌだな」

『､､､どうしてぇ？今までこのオペラ座が儲けていたのは誰のおかげ？他でもないあたしよねぇ？』

「でもなカルロッタ、クリスティーヌの歌は魔性の────」

『､､､ねえあたしの歌じゃダメなのぉ？そんなこと､､､無いわよねぇ♡』

私も彼ら二人も順調に演技を進めていく

姫宮が少し置いていかれていたのには笑ったが

ちなみに私のこのぶりっ子口調は完全に姫宮の受け売りだ

かなり似ている自信がある

事実、鬱なんてもう笑いそうになってるしな

､､､結局そのままアンドレもフィルマンも

呆れたように部屋を出て行ってしまう

残された私と姫宮

ここでやっと、いじめの、シーンだ