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1:シュガーエンディング ページ1

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放課後
夕陽の差し込む教室に幼馴染のハルトとふたり。


今日でテストまであと1週間だ。







「ねえハルト、この問題わかる?」
「お前がわかんないなら俺もわかんないっしょ」
「たしかに」
「いやたしかにっていうのもムカつくな」







前の席の椅子だけをこっちに向けて、私の机にふたり分の教科書やノートを置いてるから狭いし顔の距離は近いしで色々不便。

…それに、こんな広い教室で好きな人と、ふたり。



幼馴染だから今でもたまに家に遊びに行ったりする仲ではあるけれど、それでもこれだけ距離が近いとやっぱり緊張してしまう。


解けない問題にぶち当たった私は無意識に、スラスラとノートに数字を描いていくハルトの右手を目で追った。

…その回答、ほんとに合ってるのかなぁ。





「なに?」
「…えっ?」
「ガン見して」
「…べつに。それたぶん、間違ってるなぁと思って」





と、目の前の彼に視線を上げると
ジーっとこちらを見つめる瞳と目が合った。





「え、どうしたの、」
「…」





ハルトは黙ったまま右手からシャーペンを下ろし、その手を私の顔へと近づけてくると

目線を下げて私のすこし熱い左耳に手を伸ばした。





「……ん、ゃ、」
「なんかゴミついてた」
「あ、…」
「ふは、なに?もしかして耳弱いの?」






突然左耳を何度か優しく撫でられて、勝手に口から変な声が出てしまった。恥ずかしすぎて消えたい。






「知らない…」
「あー、でもAはそういうことしたこと無いもんね。そりゃどこが弱いとか知らないか」






少しバカにしたような口ぶりに、意地っ張りな私が顔を出す。






「私は女遊びばっかしてるハルトと違って、好きな人には一途なんだから。初めてを大切にしてるだけ」
「は?」
「…ハルトとは違うって言ってるの」






そう、ハルトは顔はもちろん女の子の扱い方も上手いから
女遊びが激しいという噂を知ってても彼に寄ってくる女子は絶えなくて。



来る者拒まず去る者追わずな彼は、好きでもない何人もの女の子を抱いて欲を満たしてる。



そんな男のこと、なんで好きになっちゃったんだろうって
私だってずっと思ってる。



しかも私には頑なに手を出そうとはしないから、私ってハルトからしたら女の子としてさえ見られてないのかな…ってひとりで落ち込んだり。






「はぁ…」
「いやため息つきたいのはこっちでしょ」
「ハルトが?なんで?」
「お前がバカすぎる」






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作者名: | 作成日時:2023年11月1日 14時

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