3. ページ4
*
放課後
帰りのHRも終わって、今日もセナハウスに向かう。
「うっちゅ〜！みんな今日も元気かー？！」
バーン！と扉を開ければ、セナもリッツもナルもスオーも揃っていて神妙な顔でおれを見つめてきた。
「な、なんだよ！みんなして！！！」
「王様、早くここ座りなよ。」
セナハウスど真ん中にある、時期尚早な炬燵に迎え入れられるおれ。
やっぱり炬燵はまだ早いと思うんだ。
「それで、今日のネタは何なのかしら♪」
「ネタ...とはなんでしょうか？」
「聞いてれば分かるよ、スーちゃん。」
座るや否や、おれの騎士たちがニコニコとしながら問いかけてくる。
ニコニコ、いやニヤニヤだな。
「セナ、まーたこいつらに話しただろ。」
「いつものことでしょお？ほら、さっさと吐いちゃいなよ。」
末っ子の期待と好奇心に満ちた眼差しがあまりにも刺さるもんだから、おれは勘弁して昨日と今朝のことを合わせて話すことにした。
「お悩みの原因は何なわけぇ？」
「...告った。」
「へぇ、王様告ったのねぇ。」
「王様、やるじゃん...」
「「「...告った！？！？！？」」」
「 声でか 」
「What's !? お兄様方、急に声をでかくしないでください！」
スオー以外の3人は揃えて大きな声を出した。
それにびっくりしたのか、お菓子を喉に詰まらせて涙目になる末っ子におれは優しいからお茶を差し出す。
「え、ちょ、王様告ったって...あの幼なじみの子に！？」
「...そう。」
「やだぁ！いつ告ったのよ！告るなら言ってくれてもいいじゃなーい！」
「...昨日の夜。」
「それで、幼なじみの返事は...」
「ごめんって言われた。」
「りーふぁーはほのおはななひみにふられふぁわふぇふぇふね？(leaderはその幼なじみに振られたわけですね？)」
「スオー...」
「司ちゃん...」
デリカシーのへったくれも無い末っ子に事実をそのまんま言われてぐうの音も出ない。
「ふーん、なるほどねえ？まあ、少し驚いたけど？振られたんなら俺たちが元気付けてあげなきゃねぇ？」
「いや別におれそんなにダメージ受けてない...」
「それはそれでちょっと問題なんじゃなーい？王様？」
ダメージが全くない訳じゃない。
だけど、もう生きていけないとかそーゆーレベルではなかった。
「ダメージがさほど無いのも何かわけありかしら？」
「あぁ、まあな！」
「まあ今日はこの辺でいいんじゃない〜？ほら、さっさとレッスン始めるよ。」
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なこ | 作成日時：2023年1月29日 20時
