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『おはよ、レオくん。』
「ん、うす。」
いつも通り太陽が昇って、布団から出て、ルカたん起こして、ペンと楽譜持って、朝飯食って、そんでAの家の前でAを待つ
いつも通りだけど、ちょっといつも通りじゃない朝におれは少し無愛想な挨拶をする。
なんだよって苦笑いするAは、おいていくよって手招きをする。
置いていかれたくはないから、おれはAの背中を追いかけた。
学院までの通学路、今日の朝飯は何だったとか、昨日の晩御飯の話とか、あのテレビ見た？とか。
また他愛もない尽きない話をしていれば目の前に校門が見えてくる。
『あ！』
「ん？」
不意にAが声を上げて、信号待ちしてたから下げてた目線を上にあげる。
横断歩道の向こう側、校門の前でAとよくいる女の子がこっちに向かって手を振っていた。
それに気づいたAは早く青になれ〜！って足踏みをしだす。
まぁ、そんな所もちょっと可愛いな、とか。
思ったりするじゃん？
悶々と煩悩と闘っているといつの間にか信号は青になってて
『じゃあレオくん、先いくね！』
「ん、行ってらっしゃい。頑張れよ〜！」
『レオくんもね！いってきます！』
昨日みたいにAはまたおれに手を振って、信号を先に渡っていけば友達と校舎に向かっていった。
「...はぁ〜。」
「朝からなんなのぉ、チョ〜うざぁい。」
それを見送って、おれはでっかいため息を着く。
すると上からいつも聴いている声が降ってくる。
「...セナぁ。」
「なぁに、まーたあの幼なじみの事なのぉ？」
やれやれ、とセナもため息をつけば、早く行くよと先を歩いていく。
Aといい、セナといい、おれを置いていくんだ。まったく。
けしからん！
「ちょっと王様ぁ？ほんとに置いてくけど？」
「あ！待ってよセナ〜！！」
これもいつも通り。
またいつも通りの一日が始まるんだ。
「(少しくらい、なびいてくれたっていいだろ...)」
嘘、少しだけちがう。
今日は幼なじみに少し不満が出たくらい。
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作者名：なこ | 作成日時：2023年1月29日 20時
