おれ、振られました【月永レオ】 (ページ11)

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(タイトルに*がつくお話は過去話です！)

*

「おれ、Aのことずっと前から好きだった。」

そう伝えればポロポロ零す涙はピタッと止まって、『はへ...』とアホみたいな声をAは出す。

「あいつじゃなくて、おれでいいじゃん。」

『えっ、と...』

片手をぎゅっと握って、Aの瞳をじっと見つめる。

ドクドクとうるさい心臓の音が自分の耳の中で響いて、聞こえないといいなって、ただそう強く思った。

おれだったら、きっとAの事を笑顔にできる。

毎日曲を作るし、毎日愛をあげるし、毎日傍にいてやれる。

泣かせたりなんかしないし、不安になるならそれが無くなるまで全部取り除く。

だけど、おれはそんな事口に出来ないから続く沈黙が少し痛くなってきて

「...なんてな！ちょっと元気出たか～？」

『もう、レオくんったら...』

綺麗なアプリコットの瞳に溜まる涙をぐい！って少し乱暴に拭ってやれば、糸が切れたようにくすくすと笑い出すAに安堵する自分がいる。

おれと違って、Aは本当の意味で優しいからおれを傷つけたくなくて黙っていたのも知っている。

「うんうん、Aはやっぱり笑顔が似合うな！大好きだ！」

『そんな事、簡単に言っちゃダメだよ笑』

帰ろっか、って握ったままの手はそのまんまでAを引っ張って校門を目指す。

今は隣を歩けない。
だって隣歩いててさ、おれの方見られちゃ困るんだ。

おれらしくない、ちょっとグチャグチャな顔なんて男らしくなくて見せらんないじゃん？

*