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ようこそ. ページ17

*


『という訳で、今日からお世話になります。瀬名Aです。泉くんと区別されたいので、苗字呼びだけは辞めてください。…以上です。』



『瀬名 A』と大々的に書かれた黒板の前で、ぺこりと一礼をする。

3秒ほど、しーんなんて効果音が付きそうな沈黙が流れてから「よ、よろしくー…」という声と乾いた拍手の音が教室に鳴り響いた。

もっと歓迎しろよ。せめてもの救いとして、もっと歓迎してくれよ。

「よ!いらっしゃいませ!ようこそアイドル科へ!」みたいな感じでさ。歓迎してくれても良くない?


言うて、あたしの学科は『プロデュース科』なんですけど。


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─────時は遡る事数日前。場所はガーデンスペース。



キリキリと痛むお腹を抑えつつ、あたしは涙目になりながらサインをした。

生憎、印鑑を常に持ち歩いているわけじゃないので、言われた通り印の所は苗字呼びでサインをした。


それを見届けたこの憎たらしい天使スマイルを浮かべる生徒会長は、なおのこと嬉しそうに笑った。



「ふふ。ようこそ、瀬名Aちゃん。プロデュース科へ。」

『まあ、そ、…うだよねぇ、知って"た"。』



こんなあたしが「アイドル科」に転科する訳が無い。

冷静に考えて、女であるあたしが配属されるのは「プロデュース科」一択だ。



「あれ?アイドル科じゃない、ってツッコミはないんだね?」

『仮にアイドル科に移すなら、人…もっと用意するでしょ?あ、人って生徒ね。…アイドルなんて誰もが夢見る職業なんだからさ。それに"アイドル"科に女ひとり、なんてリスク背負いたくないでしょ。…ちょ、そろそろホントにいい?』



いででででででで、なんてちょっとわざとらしく唸れば、心ここに在らずと言った顔の会長は「あ、うん。いいよ。ご苦労さま。」と覇気のない声で言った。



「(自分の置かれる立場と、その理由を把握しているんだ。…彼女、ビジネス方面に向いてそうだなぁ。)」



*

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*

つまりはこれが全てであり、そーゆー事である。



「じゃあ瀬名は……あそこな。仁兎の隣。」



担任らしき人物は教室を見回し、あそこと言った。

が、しかし。このクラス、分かっちゃあ居たが空席が多すぎる!!!!!!

あそこって何処かな!?!?でも、今仁兎って言ったな?

……にーちゃんだなぁ!?!?!!!あたしが彼を知らなかったらコイツ一体どうしてくれてたんだろう。


この初見殺しめが!!!!!!


*

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なこ(プロフ) - にゃーちゃんさん» あ、あ、コメントありがとうございます(;;)!もっと悶絶させられるよう頑張ります!(?) (6月23日 5時) (レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - セナが…王様が…てぇてぇ過ぎるッ…!!!!(悶絶)めちゃ好きです!更新頑張って下さい。楽しみにしてます! (6月11日 14時) (レス) id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 麻衣さん» わー!コメントありがとうございます( ᐪ^ᐪ )!好きだ!って思って貰えるようにもっと頑張ります! (5月22日 23時) (レス) @page7 id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
麻衣(プロフ) - 最近ずっと見させていただいてます。お話すごく好きです。 (5月22日 1時) (レス) id: 9b82d4ecb7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なこ | 作成日時:2023年5月11日 0時

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