72.夏梅のジャムが煮詰まるまで 魔/主/役 sypsha【10】 ページ30
shaside
「もっと深いの。いっぱいいっぱい気持ちいの、しましょ？」
わざとらしい吐息の混ざった低い声が溶けだしたチョコレートのように甘く響く。
その強烈な色香に呑み込まれてしまいそうで、絞め殺されてしまいそうで、愛由来の疼痛と恐怖心がガンガンと殴り合いながら混ざり混ざってもう頭がパンクしそうだ。
「……こわ、い……」
しかし結局軍配が上がったのは恐怖心の方だった。
…いや、普段とは違うその雰囲気によく分からなくなるくらいドキドキさせられていることも含めての恐怖心なのかもしれない。
それでも、勝手に口から零れ出たその言葉を聞いてもなお、ショッピはゆらゆらと底なし沼に誘うような焔をちらつかせた眼で見つめるのをやめはしない。
それどころか、また唇を重ね合わせてきた。
一度、また一度と唇が触れ合う度に、その瞳の奥で理性を刺し殺した荒れ狂うような欲望が火の手を増す。
ねえ、ねえ、と催促するように何度も軽いキスを繰り返して、痺れを切らしたのか舌で俺の唇をつつ、となぞったかと思うと、下唇をはむ、とその唇で食んできて。
「……ね、シャオさん。お口、あけて？」
「……っえ、は……？」
ついに、破裂しそうだった思考回路がバチンと弾けた。
いや。
いやいやいや。
今のは、いくら何でも無理だ。
呆然としてついぽかんと口を開けてしまった。
だって、ただでさえいつもと雰囲気が違って刺激が飽和しているのに、あんな目付き、あんな声色、あんな表情、あんな仕草、あんな……誘い方は。
咳き込みそうなほどの質量と熱を持った感情を少しでも逃がしたくて息を吐こうとしたのに、その隙を飢えた悪魔が見逃すわけなんて無いわけで。
「ぅん……っ、ふ、ぁ…ぁ……！」
待ち侘びたとでも言うように舌を捩じ込まれ、さっき親指でしたように舌先でするりと舌の表面を撫でつけられて小さく声が洩れ出てしまった。
熱くて今の俺の舌よりもずっと柔らかいそれは少し触れ合うだけでざり、と痛そうな音がするのに、ショッピはそんなことなんか気にも留めていない様子で深く深く舌を絡めてくる。
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Labo(プロフ) - みんな大好き保存箱さん» 返信遅くなってしまってごめんなさい！更新を待っていてくださるのにのそのそですみません…！たまーに思い出して覗きに来てくださるだけでとても嬉しいです！待っていてくださってありがとうございます！ (2023年4月3日 14時) (
レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - ゆぽさん» 返信とても遅れてしまってすみません！好きって言ってもらえて嬉しいです！かたつむり未満の速度ではありますが更新していきたいと思っておりますので、たまにそんな奴いたなぁ程度に思って頂けると嬉しいです！ (2023年4月3日 14時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - ルーさん» 返信遅くなってしまってすみません！むしろいつもの私が猫被ってるだけですよ…？私の頭のゆるさがばれてしまった…。日常会話の表現を褒めていただけるの本当嬉しいです！男子高校生ぽく書けてたらいいなぁ…。 (2023年4月3日 14時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - ホホ染めとるでこのメスさん» 返信、遅くなってしまい申し訳ありません！シリーズを最初からですか…？嬉しいです…！！次も時間がかかってしまうかもしれませんがちびちび上げていく予定ですので、たまーに思い出してくださると幸いです！ (2023年4月3日 14時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
みんな大好き保存箱 - 更新待ってます！！ (2023年1月19日 18時) (レス) id: fe795c33ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Labo | 作成日時：2021年4月23日 1時
