23*.振り子の気持ち、青い鳥。 knsyp【1】 ページ18
初、リクエスト頂いた作品です。
少し長くなってしまいました…。
knside
とある日の昼間。
訓練終わりに煙草でも一服して帰るか、と喫煙室に立ち寄ると、先客がいた。
気だるそうに壁に寄りかかって紫煙を燻らせている、その横顔にドクン、と心臓が脈打つのが分かった。
このまま入っても顔が赤いのがバレてしまっては困る。
なので、わざと乱雑にバァン！と扉を開けていつも通りを装って壁沿いにいるそいつの傍に寄った。
「よーショッピくん！なんやお前も休憩か？」
するとショッピくんは相変わらずにこりとも微笑まずにふー、と煙を吐き出して。
「…見たら分かるでしょう。というかもう少し静かに入ってこられないんですか？ドア壊したらまたトントンさんにしばかれますよ。」
こっちを向いてくれないし、目も合わせてくれない。
「いやぁ…壊れてないからセーフやろ！……あ、ライター忘れたわ。」
「はぁ……あんたここに何しに来たんや……。」
呆れたようなため息を煙混じりに吐き出す彼に、煙草を差し出して。
……そこで、少し悪い考えが頭を過ぎってしまった。
……もし、このまま……。
「すまんなぁショッピくん、火ぃ貰えるか？」
そう言うとショッピくんは渋々というようにポケットからライターを取り出そうとした。
「あぁ、出さんでええからちょっと動かんとってくれるか？」
……ちょっとくらいの嘘と悪戯。
冗談で済まされるだろう。
どうせ本気なんは俺だけなんやから。
そう言い訳しながら怪訝な表情をして律儀に動かず待っているショッピくんの、もう大分短くなった煙草に自分の煙草を近づけた。
…自分の煙草を咥えながら。
一気に近づく距離、自分でやったはずなのにその端正で物憂げな、愛してやまない顔が近くにあると意識すると心臓がうるさくてたまらない。
ジュッ、と煙草に火がついたのを確認するとすぐにぱっ、と顔を離した。
あれ以上は限界だ。
「ありがとうな、助かったわ！」
精一杯いつも通りを取り繕って笑いかけると、まだ驚いたような表情をしていたショッピくんは、次第に顔を真っ赤にして。
「……っ、何してんです……！！あんた、本当にそういうとこっすよ。」
とだけ言って煙草の火を揉み消して足早に喫煙室を出ていってしまった。
……やばいな、相当怒らせた。
顔赤くして、あんなに怒ってるショッピくん初めて見たわ。
嫌われたかもしれん。
……でも。
「……好きなんやからしゃあないやん…。」
23*.振り子の気持ち、青い鳥。 knsyp【2】→←※皆様にお知らせです【リクエストについて】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るある。 - ラッピングしてお返しするところ、、、尊い‼️ (5月12日 1時) (
レス) @page37 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
るある。 - 最高です(・・)ﾏｶﾞｵ (5月12日 1時) (レス) @page33 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
レマ - ありがとうございます 尊いです (2023年4月16日 16時) (レス) @page34 id: a92f5b28bf (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - 電球ソーダさん» 返信、遅れてしまってすみません！尊いは最大の褒め言葉です…！ありがとうございます…！！ (2022年5月24日 5時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
電球ソーダ - 尊い (2021年7月3日 3時) (レス) id: 9b3bfa43e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Labo | 作成日時：2020年4月21日 10時
