21.ゴールデン・ドロップを貴方に grem【2】 ページ12
emside
「はい………？」
何かと思えば、らしくない気障なことを言う。
でもその目は至って真剣だった。
「いや、いつものお前も綺麗だが、紅茶を淹れている時のお前は特段に綺麗だと思ってな。」
「いきなり何ですか……。女の方を口説き落とすときの文句とちゃいます？それ。」
内心とても嬉しいが、手放しに喜んでは思うつぼな気がして平静を装って蒸らし終わった紅茶をカップに注いでいく。
透き通った琥珀色の水面が揺らいで、コポコポと小気味の良い音が立つ。
紅茶の香りが途端、部屋中を包み込んであっという間に茶会の部屋に早変わりだ。
「いやなに、本心だ。ふとそう思ってな。」
冗談めかしたように愉快そうにふ、と笑う声。
疼く私の内心を表すように、最後の一滴が紅茶の水面にさざ波を描いた。
「ほら、そんな冗談言うてるうちに出来ましたよ。入ったばかりのダージリンのオータムナルです。」
ショートブレッドと一緒にソーサーとカップを置くと、グルッペンさんは砂糖も入れずに紅茶を一口飲んで、そして頷いた。
「あぁ。やはりエーミールの淹れる紅茶が一番美味いな。香りもとても良い。」
その満足気な様子に安堵と嬉しさが込み上げる。
しかも一番、だなんて。
「大袈裟ですよ。入ったばかりのシーズンティーなんやから美味しいのは当たり前です。」
染まった頬を誤魔化すように紅茶を飲んでそう首を振ると、揺れるその緋の双眸が私を射貫いた。
「それを抜きにしてもお前の紅茶が一番美味いよ。お前はとても腕がいい。」
「もう……褒めたって何も…」
そろそろ気恥ずかしくなってきたのでここらでこの軽口を止めようと口を開いたその時、彼もまた会心の笑みを浮かべて。
「……毎朝、お前の淹れるアーリーモーニングティーを飲みたいものだな。」
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るある。 - ラッピングしてお返しするところ、、、尊い‼️ (2023年5月12日 1時) (
レス) @page37 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
るある。 - 最高です(・・)ﾏｶﾞｵ (2023年5月12日 1時) (レス) @page33 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
レマ - ありがとうございます 尊いです (2023年4月16日 16時) (レス) @page34 id: a92f5b28bf (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - 電球ソーダさん» 返信、遅れてしまってすみません！尊いは最大の褒め言葉です…！ありがとうございます…！！ (2022年5月24日 5時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
電球ソーダ - 尊い (2021年7月3日 3時) (レス) id: 9b3bfa43e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Labo | 作成日時：2020年4月21日 10時
