21.ゴールデン・ドロップを貴方に grem【3】 ページ13
emside
「………え、それって……。」
軽口のような口調、けれど、その瞳は偽りなく私を見つめている。
「あぁ、妻はお前だから私が淹れることになるのか。」
そう言ってくくっ、と愉快そうに笑う。
冗談みたいな本気。
心臓がうるさくてそのジョークも笑えない。
「いや……私たちどちらも男なんですから、その辺はどっちでも……じゃなくて…え……？えっと…？」
あまりの混乱にまともに話せていない私を見て、グルッペンさんは観劇でもするかのように可笑しい、と言いたげな瞳をこちらに向ける。
「何だ、はっきり言わなくては分からないか？」
「えっ……い、いえ……分かります分かりますから言わなくていいです……。」
これ以上言われたらどうしようもなく顔が火照ってしまうから。
という言葉は呑み込んで。
「そうなったら、毎日楽しみにしているぞ。」
「……ええ、毎朝、ティーパーティーですね。」
「それは良いな。」
雑談みたいに軽く、けれど確かに交わされた契り。
ゴールデン・ドロップは、いつでも主賓の貴方に……。
………………………………………………………………………………………………
このお話、色々と分かりづらいので少しだけ、解説のようなものを。
お時間頂ける方は是非、読んでいただければ。
まずタイトルにもなっている“ゴールデン・ドロップ”について。
これはポットから注ぐ紅茶の最後の一滴のことです。
この一滴には紅茶の成分や香味がぎゅっと凝縮されていて、“ベストドロップ”とも呼ばれるほど。
英国のティーパーティーでは、そのゴールデン・ドロップを注いだカップを主賓にお出しするのが慣習なのだとか。
そして“アーリーモーニングティー”について。
アーリーモーニングティーは、起き抜けにベッドで飲む紅茶のことです。
昔の貴族ではメイドさんに持ってこさせたりして飲んでいたようですが、現代では、レディーファーストの精神によって起き抜けに夫が妻に淹れる紅茶へと変化したようです。
夫が、妻に。
……つまり、そういうことです。
用語の解説はここまでになります。
あとの行間は……皆様の読み次第、と言ったところでしょうか。
今回のお話も読んでいただきありがとうございました。
いつも皆様には感謝の意でいっぱいでございます。
小説外から失礼いたしました。
これからもよろしくお願い致します。
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るある。 - ラッピングしてお返しするところ、、、尊い‼️ (5月12日 1時) (
レス) @page37 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
るある。 - 最高です(・・)ﾏｶﾞｵ (5月12日 1時) (レス) @page33 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
レマ - ありがとうございます 尊いです (2023年4月16日 16時) (レス) @page34 id: a92f5b28bf (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - 電球ソーダさん» 返信、遅れてしまってすみません！尊いは最大の褒め言葉です…！ありがとうございます…！！ (2022年5月24日 5時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
電球ソーダ - 尊い (2021年7月3日 3時) (レス) id: 9b3bfa43e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Labo | 作成日時：2020年4月21日 10時
