その17、煙草と君と。 ページ29
「いたぞ！こっちだ！」
慌てて子供を抱き上げ走り出す。
いっけなぁーい！このままだと蜂の巣になっちゃうーー！
という訳で、近くの建物の中に転がり込む。転がり込んだ直接、パララと発砲音が聞こえて冷や汗が伝う。ギリギリセーフの様だヤッタネ！
しかし、適当に入った所は酒屋の様で、あちこちに瓶やら食器が散乱している。
こりゃ、運がいいな…持ってるぞ…！
瓶を何本か拾い上げ、軽く振り中身がある事を確認しつつカウンターの方に入る。
ビリッと服を破き紐状にし、瓶から10cmぐらい出るようにして中に突っ込めば−−
「モロトフカクテルの出来上がり〜！」
※法律で製造、所持、使用、保管は禁止されています。興味本位で作っちゃ駄目だゾ！
バンッと扉の開く音がした。
パリンと砕ける音が響き次いで悲鳴も上がってきた。
汚物は消毒じゃーい！焼き払え！
隙を見て裏口からまた外に出る。
裏口から人の声が沢山聞こえる方へ駆ける。しかし、不意に漂ってきた匂いに足を止め思わずスン、と息をした。
「…煙草なのに、甘い？」
どこか甘い匂いがするそれに、既視感に駆られるが生憎記憶の中に喫煙者はいない為首を傾げた。
「…へぇ、違いが分かるんっすね」
そう言いながら角から出てきたのは、ヘルメットを被った男だった。
紫のジャンバーを着こなし、首元にはファーが着いており暑そうだ…ってどうでもいい事を解説している暇は無いんだYO！
モロトフを投げようと振りかぶろうとした時に男は口を開いた。
「ここの路地裏、入り込んでますけど案内しましょか？」
ニンマリと細められた口に不信感しか無いが、返事を聞く前に男がくるりと踵を返したのでついて行く事にする。
敵に背を向けるぐらいだから、敵意は無いのだろうと考えながら足を進めた。
その17、煙草と君と。
ーー掴めないのはどちらも同じ。
凄く早いよ！2500hit記念！→←その16、その男、狂犬につき。2
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きな粉大使(プロフ) - soragirl3008さん» ひょえー！コメントありがとうございます！期待に応えれるような作品が書けれるように頑張ります！ (2020年2月9日 7時) (
レス) id: 816a82456a (このIDを非表示/違反報告)
soragirl3008(プロフ) - 続編っ！ヤッター！楽しみにしてます！これからも頑張ってください！ (2020年2月9日 7時) (レス) id: 7bebdbe9d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きな粉大使 | 作成日時：2019年9月2日 16時
