23、じゃあさようなら ページ25
足を進めど進めど、何もない道が続く。
永遠にも永久にも感じる道、心が折れて足を止めれたら楽なのだろう。何があるか分からない道、行き先も灯りもない、擦り切れる精神と体力。
…心が折れるには十分な条件だ。
ーそれでも、足を前へと動かす。
もしかしたらこの先に、現状打破できる手があるかも知れない。それだけを杖に心体を支えて足を動かす。
何分、何時間歩いたか分からない、足がもつれドサリと地面に倒れ込む。
「もう、どうでもいいか」
ぼんやりと霞む目をゆっくりと閉じると、倦怠感が押し寄せ地面に縫い付けられていく感覚が襲った。頭がとろりと溶けて行く様な、沈む様に意識が遠のいてゆく。
「なぁ、忘れてへんか」
きらりと茶色の髪の間から覗く黒曜が覗き込む。
つやつやと輝く黒曜に私のぼんやりとした顔が映り込んでいた。
「あれ、なんでおるん。どした」
「何でも。それよりホンマにそれでええんか」
俺んこと思い出せへんの？その声色は責めている様にも聞こえるし、諭す様にも聞こえた。
だって、もう、疲れてしまったんだもん。
終わりの無い道、様子の可笑しい黒子、いつ帰れれるか分からない状況。わたし、そこまで強く無いの。
「せやな、頑張っとるよお前は。でも、思い出して」
おれを早よ見つけてや。ふわりと触れた手から温もりが伝わってくる。分かってるよ、分かってるただ今は寝かせて。
明日の事は、明日の私が何とかするから。
23、じゃあさよなら
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きな粉大使(プロフ) - 白さん» コメントありがとうございます。なかなか主人公がムキムキしている小説がないので書いてるんですが、好きと言ってくださりテンションうなぎ登りです…！ (2020年2月16日 16時) (
レス) id: 816a82456a (このIDを非表示/違反報告)
白 - とても面白いです。筋肉ムキムキの女の子好きなのでこの作品すごく好きです。 (2020年2月16日 14時) (レス) id: ad3a81de86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きな粉大使 | 作成日時：2020年2月9日 7時
