20、日記 ページ21
ボーとはらはらと舞う桜の花びらを見つめる。
どうやら、叫んでいたのでは無く既に息絶えてている人達が幻覚で叫んでいるように見えていたようだ。
ゾンビ映画の見すぎなんですかねぇ…？
今は大丈夫かって？実は大丈夫では無い。今が幻覚なのか、現実なのかハッキリはしない。
ぽやぽやとしたまま調査へと挑む。桜の木に近づけば近づくほど足取りが軽く、まるでホバーしている気分で思わずエァア！と前転してしまうぐらいにはラリってた、反省。
前転した先に、すこし開けた場所に出た。真ん中に大きな噴水があり、チロチロといかにも死んでそうな水が流れていた。
アカァーン！！とか、叫ばれそうな水である。噴水の縁に腰掛け、足を揺らしながら村を見渡す。目を閉じればクスクスと子供の笑い声が聞こえる、何笑とんねん…！見世物ちゃうんぞゴラァ！
目を開ければ止むので幻聴と分かっているが、何となく笑い声の音源を辿ると私の後ろの方に位置する建物から聞こえている様だった。
古めかしい赤レンガの建物に、羽の生えた女性を模したくすんだステンドグラス、教会の様な雰囲気の建物だが扉から中を覗き込むと本がビッシリと並べられていた。
「本屋…いや、図書館かな」
ペラリ、手に取った背表紙に金糸で「心理学〜防御反応編〜」と書かれていた。
キョロキョロと辺りを見渡しながら奥へ奥へ足を進める。めぼしい物が無く、外に出ようと踵を返したその時に背後から本が落ちる音がした。
題名など無く使われてクタクタになった皮の表紙の隅に「クリス・ヨクナール」と名前が書いていた。オイ、名前よな！
頁を捲ればどうもその人の日記の様だった。家族愛がすごく子供のことや妻のことばかりで、とても微笑ましく思わず笑ってしまう。
いや、「子供と嫁がガチで尊い」とか書くな〜？私らと同じにほひがプンプカする〜！この時を閉じ込めたいとか、お前、ミュでも行っとんか…。
どれも、家族に幸せになって欲しい気持ちが詰まった日記だ。
しかし、「村人がピリピリしている」や「どうして、」など不穏な空気が漂い始めた。
読み進めれば、何が合ったのか分かるのか？小説を読む様な感覚で次の頁を捲っていった。
20、日記
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きな粉大使(プロフ) - 白さん» コメントありがとうございます。なかなか主人公がムキムキしている小説がないので書いてるんですが、好きと言ってくださりテンションうなぎ登りです…！ (2020年2月16日 16時) (
レス) id: 816a82456a (このIDを非表示/違反報告)
白 - とても面白いです。筋肉ムキムキの女の子好きなのでこの作品すごく好きです。 (2020年2月16日 14時) (レス) id: ad3a81de86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きな粉大使 | 作成日時：2020年2月9日 7時
