17、調査記録 ページ17
とある場所に薬草にたいそう長けた男がいた。
その男は人里離れた場所に住んでいたが、村の為にと妻と一緒に薬を作り続けていた。
口を揃えて村の者たちは彼らを素晴らしいと褒め、頼りにした。
頼られる事に弱い夫婦は一生懸命に薬を作り、村の人を元気にしたいと寝る間も惜しんでいた。
歯車が狂っていったのは、夫婦の間に子供が産まれたころだった。
最初は戦争。戦争による影響で水は淀み、草木も枯れていき始めた。作物は育たないのに税は高くなる一方で、みなほとほと疲れ果てていた。
男は、村に元気がない事を心配し、自分の畑で取れた少しの作物を分け与えた。
村人は、彼に感謝をすると同時に疑問を抱き始めた。
｢何故彼らの畑は作物が育つのか｣と。
理由は簡単だ、男は水が良くない事に気がついていた。だから、汚染されていない水脈を探し見つけた。
片道何時間もかかるが、飲んでも問題ない水だ。勿論村人にも伝えた、「安全な水がある！」と。
しかし、信じなかった。それはなぜか？
村長が問題ないと言ったから、それを愚直に信じた。
男は頼りにされていた。しかし、信頼はされていなかった、村長は信頼されていた、それだけだ。
信じなかった結果、村人の作物は育たなかったのだ。
次に大飢饉。作物が取れないのだから、そうなるのはあまりにも自然だった。
ここで、奇妙な事件が起こる。子供達がいなくなる事件だった。
この事件は、村長により引き起こされたのだがそれを村人達は知らない。
村人達は噂した、子供達が薬の元になっているのでは無いかと。馬鹿らしい、と思うだろうか？ここには時代背景が関係する。
人知を超えた力がおそれられるのは、いつもの事だ。−例えば、魔女とか。
そう、夫婦は魔女だと疑われた。
後は早かった、村人は武装し夫婦を襲った。
無抵抗の妻を引きずり、辱めとても目が当てられないぐらい無惨に殺された。
男は、妻が無惨になっていく姿を見せられ、舌を抜かれ目をくり抜かれ絶望の中死んでいった。
それから、村は程なくして壊滅した。
綺麗な花弁を散らす木を生やして、村は誰1人として見つからなかった。
これが、ロイノー村に起こったことであった。
…村の壁に血で文字が書かれている。
「しあわせになりましたか？」
…どういう意味だろうか、今後調査の必要あり。
「いや、村長胸糞悪すぎワロタ」
17、調査記録
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きな粉大使(プロフ) - 白さん» コメントありがとうございます。なかなか主人公がムキムキしている小説がないので書いてるんですが、好きと言ってくださりテンションうなぎ登りです…！ (2020年2月16日 16時) (
レス) id: 816a82456a (このIDを非表示/違反報告)
白 - とても面白いです。筋肉ムキムキの女の子好きなのでこの作品すごく好きです。 (2020年2月16日 14時) (レス) id: ad3a81de86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きな粉大使 | 作成日時：2020年2月9日 7時
