榎本家の美女【あなたの番です】 (ページ9)

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第8話ページ9

携帯で時間を確認して彼女を迎えに行ってくると水城さんに伝えて車を出た。

コンビニへ着くと都築と彼女が話していて胸が痛む。この気持ちはなんだ…?ドアを前にして足を止めてしまう。すると、都築が指を指してきたからコンビニに入ってく。

神「あんま彼女をからかうなよ、都築」

都「い～や、こんな可愛らしい後輩出来たらからかいたくなるでしょ?」

神「まったくお前は。…Aさんそろそろ帰る支度を。待ってるんで」

『??』

彼女の表情はなんで俺がここに居るのかってそんな風に見えた。都築が彼女に時計を見てと言って時計を見るとバイトが終わる時間だと理解したようだ。そして、着替えに行った。

都「彼女可愛いよね」

神「…まあ、可愛いとは思うけど」

都「ふふん～?じゃあさ、付き合えば?」

神「なんでそうなるんだよ…」

都「お似合いだと思うからさ～?Aちゃんも彼氏いないみたいだし将人くんもいないでしょ?だったら俺応援するよ！」

神「……はぁ」

水城さんといい、都築といい。やたら、付き合えと勧めてくる。まだ彼女に出会って1日だぞ?わけがわからない。…そんな事を都築と話してると彼女が着替えを終えて戻って声を掛けられた。

『あの、どうして神谷さんが…?』

神「こんな時間に女性1人帰らせるの危ないんでね、マンションまで送りますよ」

『そんな…ここからマンションまでそんな距離ないですよ?』

都「まあまあ。Aちゃん将人くんに甘えなよ。最近この辺物騒だしねー」

神「都築もそう言ってるんで行きますよ」

『…じゃあ、お願いします』

頑なに遠慮する彼女。正直面倒だと思ったが都築のお陰で彼女は了承してくれた。

そのまま店を出て、それからは特に会話する事なくマンションに着いた。

『神谷さん送ってくださりありがとうございます』

神「いえ。」

『…あの』

神「どうしたんですか?」

礼儀正しくお礼を言う彼女。後は帰るだけなのにと思いながらも何か言いたそうにしてる。……黙ってちゃわかんねぇだろ。何かあるなら言ってくれと名前を呼んだ。

神「…Aさん?」

『仕事頑張ってくださいｯ!!』

神「…!…ありがとうございます、ゆっくり休んでくださいね」

仕事頑張ってください、か。他の奴に言われたら特に何も思わなかったと思う。でも、彼女に言われるのは正直嬉しかった。

俺もこんな時間まで仕事を頑張った彼女にゆっくり休んでと伝えて彼女がマンションへ入ってくのを見送った。