榎本家の美女【あなたの番です】 (ページ10)

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第9話ページ10

翌朝

殆ど寝ていない身体を起こしてドアを開けリビングへ向かうとお母さんが凄い勢いで私に向かってきた

『何お母さん…』

正「もうA～!聞いて～!昨日夕方に総一くんのママとパパに差し入れ持ってたら所持品検査受けちゃってさ～、総一くんに見た目怪しいですもんねって言われちゃったのよ～!」

『…まあ、お母さん少し怪しいもんね』

正「まっ!Aまで～?ね、ね「あやしい」ってりっしんべんの方?おんなへんの方?おんなへんなら許す～、キスもしてあげちゃう～」

『りっしんべんの方』

真顔でそれを伝えるとお母さんはそんなに怒らないでよ～と言った。
今日大学あるからと伝え朝食を急いで食べて家を出た。後ろから声が聞こえた

総「Aちゃんおはよう、途中まで一緒にいい?」

『…あ、総一くんおはよう。途中までね、いいよ…ふわぁ…』

総「眠そうだね」

『…深夜までバイトしてたからね。あ、私向こうだからまたね』

総「………またね」

やっぱり総一くんの事が苦手な私は嘘をついて手を振りながらも足早に大学の方に歩いた。またバイト行って神谷さんに今日も会えたらいいな…そうだ。今日バイトないんだった…

『あ、そうだ…神谷さんに昨日のお礼何か用意しよ』

と、思ったはいいけど……考えれば考える程時間は経つばかりで講義中もまったくっていいほど頭に入ってこなくてあっという間に夕方になってしまった。

何をプレゼントしようか悩み歩いていると後ろから女性の声で名前を呼ばれ振り向くと黒島さんがいた

『あ、どうも…黒島さん』

黒「黒島さんなんていいよ～、沙和って呼んで?同い年でしょ?」

『じゃあ沙和ちゃん。…もっと仲良くしたいし一緒に帰る?』

黒「うん!一緒に帰ろ!」

黒島さ…沙和ちゃんと一緒に帰る事になった私は彼氏とかいそうな沙和ちゃんにプレゼントの事を相談してみた

黒「ふふっ、Aちゃんはその人の事が好きなんだね～」

『すっ、好きっていうか…その会って日は経ってないけど良くしてもらってるし…』

黒「可愛い～!…あれ?あそこにいるの総一くん?」

『ほんとだ…』

そこには何かを抱いて俯いてる総一くんがいて沙和ちゃんが総一くんに声をかける

黒「総一くん?」

総「あっ、沙和さんとAちゃん」

『猫……どうしたの』

胸がザワｯとする感じがした。もしかしてなんて思ったけど…沙和ちゃんにも総一くんにも言わずに心の内にしまった