榎本家の美女【あなたの番です】 (ページ40)

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第38話ページ40

『私、何かしましたか…?』

神「…いや、それ誰にでもやるんですか…?」

『それというのは?』

神「はぁ……気付いてないんですか?」

…自覚がないのか。溜息を漏らすと少し経ってからみるみる顔が赤くなっていく彼女。やっと何をしたか思い出したか。何度も頭を下げる彼女。

『あ…あぁ…!ごめんなさいごめんなさい!電車の時といい変なことばっかりして本当にごめんなさい!』

神「いえ。…そういうこと俺以外にしないでください」

『は、はい……ん?』

神「あぁ…いや。すいません、今のは忘れてください」

つい口に出してしまった言葉は彼女にら届いてしまったらしい。…この様子だと忘れてくれと言っても忘れてはくれなそうだ

問い詰められるのは嫌だと話を逸らす。帰るように促して最寄り駅へ特に会話することなく足を進めた

『………』

神「……タクシーで帰りますか」

『え…』

神「…行きましょう」

駅へ着いても無言のままの彼女。きっと、行きで痴漢にあった事を思い出したのだろう…。そんな彼女の手を掴み返事を待たずタクシーへ乗り込んだ

運転手にすみだ署までと伝え揺られること15分程。すみだ署へ到着。料金を支払い彼女が帰ろうとしてるところを引き止めてマンションまで送ってくと言って車へ乗り込んだ。

『すみません、神谷さん…気を遣わせてしまって…』

神「気にしないでください。俺が満員電車嫌いなだけなんで」

『は、はぁ…』

神「……祭り楽しかったです」

赤信号で車を止め彼女の頭にぽんと手を乗せた。そのまま素直に祭りが楽しかった事を伝えると彼女は微笑んだ

『…私も楽しかったです、また一緒に行きたいです』

神「……俺でいいなら」

『やった…!じゃあ約束…ですね』

神「えぇ」

小指を出してきた彼女と指切りげんまんをする。信号が変わったのを確認して車を20分程走らせマンションへ到着した。車を降りて彼女の座ってる助手席のドアを開けた

神「…部屋まで送りますよ」

『そんな…悪いのでここまでで大丈夫です、神谷さんありがとうございます』

神「いえ。俺の方こそ時計ありがとうございます…」

彼女からRINEを交換しないかと言われ考えた。そんな俺自身RINEなんてやりはしないが、彼女の事をもっと知りたくて交換することを選んだ。何かあったら連絡をするという言葉に胸が高鳴る。

マンション内に入ってく彼女を車の中から見送る。入口まで行くとこっちを振り返って手を振ってくれるので振り返した。