[短編集]ヒプマイ男子日記

MTC ページ47

左馬刻

なんで私がこんな目に…

私が小さくなっても何の得もないじゃん？

それこそ左馬刻の幼少期とかめっちゃ可愛いと思うし左馬刻にして欲しかった…

この姿、左馬刻に見られたら面倒だな…
今日は家から出ないようにしよう

「おい。もう遅せぇよ」

「わっ、さまときｯ」

ビックリしすぎて後ろにひっくり返りそうになる

小さくなって体重も軽くなっている

「おっ、と。危ねぇな」

大きな手と力強い腕が私をヒョイっと持ち上げた

左馬刻の顔が一気に近くなる

「この姿でも可愛いまんまじゃねぇか。この姿も好きだな」

グリグリと私の額に自らの額を押し付ける

「……私は今の左馬刻の方がかっこよくて好きだな…」

私がそうゆうと、力強く私を抱きしめ、この日は1日甘やかされた

＊

銃兎

「どこに行くんです？」

ビクリと私の体が跳ねる

「え、えっと……しょ、職場に……」

「はぁぁ………」

長い溜息をつく銃兎さん

「今あなたが置かれている状況を分かっているのですか？」

カチャリとメガネを上げる銃兎さんの瞳は少しだけ怒っているようだった

「全体的に小さくなってます。はい」

「貴女が仕事熱心なのは分かりましたけど、危険すぎます。だいたいあなたはいつも……________」

ネチネチと銃兎さんのお説教が続く

「銃兎さん…ごめんなさい」

潤んだ瞳で上目遣い気味に銃兎さんに謝る

「ﾋｮｫ、き、き気を付けてくださいｯ」

こうかはばつぐんだ!

＊＊＊＊
理鶯

「ﾊﾊｯ、可愛らしいな」

「笑わないでくださいよ。理鶯さん」

かれこれ10分間私の頭を愛おしそうに撫でる理鶯さん

「お前のその姿を見ているとなんでも尽くしたくなるな」

「中身はそのままなんですけどね」

何気なく理鶯さんの手を掴んで自分の小さくなった手を重ねる

「理鶯さんの手、好きです」

「ん、小官はお前の全てが好きだけどな」

「それ、ずるいです」

恥ずかしさのあまり、理鶯さんのたくましい胸板に顔を埋める

その時に聞こえた理鶯さんの心臓がとっても早かったのは私だけの秘密

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