*誰も知らない花言葉* ページ27
約束したい、とAが言った。
みんなは頭を傾げて困惑する。
確かにそんな急に約束したいとか言われても困惑するに決まっている。
仙蔵が困惑するなか「約束とはどういうことだ。」と代表として質問の意味を図りかねる。
「うん。私たちが忍術学園を卒業すれば、みんなはバラバラになるでしょ?だから、離れていても一緒だよ、って約束したかったの。
前に先輩が言っていたでしょう?
勇気、未来、夢、愛、希望、絶望、さまざまな想いを背負って忍術学園を卒業したって。」
何か真剣な眼差しで言うAに従うかのように野を駆ける風の音がした。
「先輩達を見てきて私なり考えたの。さまざまな想いとは何かを。」
Aは視線をずらして、僕に向けてコクりと頷いた。みんなは僕に視線を向けてるので僕も話すことにしよう。
伊作「考えた結果、約束と言う訳さ。きっと、Aの大きな荷物は僕らの約束が入ってるだと思うよ。」
Aの隣に丁寧に置かれている大きな荷物に視線が集中する。
「それで我々を呼び出したのか?だったら、最初からそう言え。」と仙蔵は大きなため息をついた。
文次郎「まぁ、良いじゃないか。ところで、その荷物は約束が入ってると言ってるが本当は何があるんだ?」
それって中身が知りたいだけじゃないのか?
まぁ、僕も知りたいだけどね。実は僕もAが何を持ってきたのかは知らないから。
Aは仕方ないなと、力なく笑うとゴゾゴゾと音を立ててから荷物入れの風呂敷から何かを取り出した。
「…えっとね、コレだよ。」
ニコッと笑い片手に大切そうに持っていたのは木の苗だった。
留三郎「それは、桜の木の苗か?」
「うん、そうだよ。適当に選んだから品種は分かんないけどね〜。」
ケラケラと笑い出すAに少し疑問に思った。
伊作「…あれ?でも、いつもの君なら花言葉を意味して買ってるじゃないか。」
「あー…、まぁね。でも、今回はいいの。みんなが知っている花言葉よりも私たちしか知らない花言葉のほうが良いじゃない?」
そう言いながら、いたずら好きの子供がするような意地悪な微笑みをする。
そんなAに僕らは頭を抱えてるのであった。
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もえこ(プロフ) - はじめまして!大事な時期なのですね!頑張ってください!よい結果になることを祈りながら待ってますね〜!! (2019年7月26日 20時) (レス) id: 8b605c37d7 (このIDを非表示/違反報告)
あずまる(プロフ) - 睡蓮さん» 面白いと思ってもらえて嬉しいです!ありがとうございます!!これからも頑張ります! (2018年11月2日 15時) (レス) id: 78c7944f1c (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮(プロフ) - 面白いです!頑張ってください(^^) (2018年10月29日 8時) (レス) id: 2f089d0de5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あずさ丸 | 作成日時:2018年8月31日 20時