*約束したかったんだ* ページ26
僕が何か思い出すとAは肩を微かに揺らし、どこか晴れやかな色の顔を浮かべていた。
僕は何処か心がふんわりと暖かくなった。
そんな僕とAに他のみんなは訳が分からず、唐突過ぎて事情が飲み込めない様子だ。
小平太「なに?どういうことだ?」
仙蔵「伊作、Aよ、分かりやすく説明してもらおうか。」
仙蔵が誰か犯人を追いつめるような口調で言うので僕とAはちらりと顔を向けることにした。Aは顔をコクりと頷いている。
説明しろと言う合図のようだ。
僕はスウッと息を吸い改まった声で説明ことにした。
伊作「ここは三日前に裏々山の奥の山の帰り道にAと見つけた場所なんだ。」
三日前の記憶を遡る。
確かあの日は、試験内容であるアミガサタケ城を落とせを聞いた翌日であり、五年生の時に告白した花草原に行った日でもある。
また試験内容でもっとも重要なアミガサタケ城の真実と偽りの話を聞いた日でもある。
他のみんなは文次郎に話を聞いたらしいが、そこは詳しく分からない。
小平太「そうなのか?裏々山でよく体育委員会でマラソンで来ているがこんな所初めて来たぞ!」
小平太はキラキラを目を子供のように光らせる。僕は「流石にこんな所は来れないと思うけど。」と呆れ気味。
記憶を辿って来ても、険しい道なき道を歩いて来てるのだ。僕らでも疲れてると言うのに体育委員会全員で行くと言うのは無理があると思う。
体力馬鹿の小平太のことだから行く気になれば来れただろう。滝夜叉丸はギリギリ行けるとしても下級生たちは魂が抜けてしまう。
それは保健委員会委員長としては見過ごせないので絶対にやめて欲しい。
あれこれと頭を抱えて悩んでいる頃、長次がAに質問をしていた。
長次「……では何故、ここに来るのだ?お前のやりたい事とは何なんだ?」
先ほどまで騒がしかったのに、草のそよぐ音しか聞こえない。なんだろうと思い、考えるのを止めて我に戻ると不思議な沈黙があった。
Aは顔一面に満悦らしい笑みが浮かび、目も笑い口角が上がり、こう言ったのだ。
「約束、したかったんだ。」
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もえこ(プロフ) - はじめまして!大事な時期なのですね!頑張ってください!よい結果になることを祈りながら待ってますね〜!! (2019年7月26日 20時) (レス) id: 8b605c37d7 (このIDを非表示/違反報告)
あずまる(プロフ) - 睡蓮さん» 面白いと思ってもらえて嬉しいです!ありがとうございます!!これからも頑張ります! (2018年11月2日 15時) (レス) id: 78c7944f1c (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮(プロフ) - 面白いです!頑張ってください(^^) (2018年10月29日 8時) (レス) id: 2f089d0de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あずさ丸 | 作成日時:2018年8月31日 20時