〜とある夢の中に〜 ページ2
ここはどこだ?
何も見えない。
僕、善法寺伊作はただ真っ暗闇の世界に寂しくて孤独な場所にぽつりと一人寂しく立っていた。
『善法寺伊作。』
あれ?誰か僕を名前を呼ばれた?
『伊作。』
ああ、そうだ。
僕はこの声の持ち主を知っている。
僕は君のことを知っている。
後ろを振り向けば君が――
伊作「……だれ?」
君じゃなかった。
僕が知っている君じゃなかった。
目の前にいるのは君の姿をしている化け物のような女。その女の怖さに息を詰まっていると、女はニタァと妖しく微笑んだ。また、ヒタヒタと足音を立てて僕のところにゆっくりと近付こうとしていた。
伊作「……やめろ!来るな…!!」
警戒しながら、ずるずると後ざする。でも、化け物のような女は僕が後ざする分だけヒタヒタとゆっくりと前に進んで来る。
そしてまた、ニタァと化け物のような女は微笑んだ。全身から血の気が引くような気がした。
そして我に思う。
この女から逃げなくちゃならないと。
だから、必死に逃げた。
逃げて逃げて逃げまくった。
でも、女はとても嬉しそうに僕の後を付いてくる。ドカッ、何もないところで転んでしまった。
目の前には化け物のような女がいる。逃げようにも、腰に力が抜けてぺしゃりと座ったままだ。
逃げなくちゃと座ったまま後ざする。
『伊作〜、なんで逃げるのォ?』
伊作「…やめろ!…来るなっ!」
『ふふっ。あなたはそうやって、自分を呪ってるといいよ。私はあなたのせいで死んだ。そうでしょ?伊作。』
伊作「やめろ!やめろくれぇえええ!」
その僕の叫びの共に、ぶわっと暗闇を引き裂くような強風が吹き、あの女は消えて「―――さくっ!」と遠くから声が聞こえてきた。
誰だ?なんて言っているんだ?
「―――いさくっ!!」
声がするほうに必死に手を伸ばしても虚しく空を切るだけ。
「―――伊作っ!!」
どこ?どこにいるんだい?
誰でもいい。
僕をこの暗闇から助けてくれっ!!
「おい!伊作っ!!」
――――――パチッ!!
誰かに僕の名前を必死に呼ぶ声と同時に汗だくになりながら目覚めた。目覚めても、何かにぞっとするような気持ちが皮膚に張り付いているような感覚だった。
?「おい!大丈夫か!?伊作!!」
聞き覚えにある低い声。
しだいに意識がしっかりとはじめて、歪んでいた目の前がはっきりすると心配そうに眉を下げて留三郎が僕の顔を覗き込んでるのが見えた。
伊作「…留?……留三郎?」
留三郎「おう!」ニカッ
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松籟(プロフ) - あずさ丸さん» いえいえ、こちらこそ突然失礼しました。まだ完結していない忍たまの作品ですが、良ければ私の作品も見てくださいね!十四歳の憂鬱という作品です。 (2018年6月11日 20時) (レス) id: b3fa56ef87 (このIDを非表示/違反報告)
あずさ丸(プロフ) - 松籟さん» なので、貴重なご意見をありがとうございます。私も上手く書けるかどうか分かりませんが頑張って書いてみようと思います。そしてより良い作品にしていきたいと思います!!長々と失礼しました。 (2018年6月11日 20時) (レス) id: 78c7944f1c (このIDを非表示/違反報告)
あずさ丸(プロフ) - 松籟さん» コメントありがとうございます。素敵な作品と言ってもらえて嬉しいです。いえいえ、全然不愉快ではありませんよ。確かに感情じゃない部分はあまり書けていなかったなと思います。話したとか答えたぐらいしか書いていなかったので。 (2018年6月11日 20時) (レス) id: 78c7944f1c (このIDを非表示/違反報告)
松籟(プロフ) - 感情の、言葉で説明できるともっと良くなると思います。素敵な話なのにもったいないな……!と思って、老婆心ながらお伝えしました。不快だったらすみません! (2018年6月9日 18時) (レス) id: b3fa56ef87 (このIDを非表示/違反報告)
松籟(プロフ) - とても素敵な作品ですね!せっかくの素敵なお話なので、もう少しセリフでない部分も増やすと、もっと良くなると思います。勝手にすみません! (2018年6月9日 18時) (レス) id: b3fa56ef87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あずさ丸 | 作成日時:2018年5月19日 20時