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百四十話 ページ41

『上弦の伍だとしても、戦歴は私の方が長いんだよ』

鬼「なんの話しだ」

『あなたのその心だって見透かせる。経験値だよ』

鬼「無駄口を叩くな、厄介だ」

グッと構えた拳。あなたの攻撃がいくら速くて強くても、もう勝てる。


『柱ナメんなよ…!』


地面を蹴って鬼の間合いに入り込み刀を振るう

それでもそう簡単に首をを斬れないのが上弦だ。


体術に長けた鬼の蹴りや突きを交わして反撃にでる。

が…

鬼「血鬼術、鬼蹴!」

『うッ、?!』

左から飛んできた蹴りを腕で受け止めると、骨が軋む音がした。

『あぁッ!!!』

痛みで声を上げた。肘、砕けてなければいいけれど。


鬼「フッ、所詮は人間か」


そのとき浮かべた笑み、と隙を見逃さなかった。


『…そう、人間様に勝てると思わないで』



“駆速・獅子奮迅”



かつてない速さで鬼の横を通り過ぎると、鬼の頸は宙に舞った。



鬼「は、はやすぎ…る」


『獅子は獲物を逃さないんだよ』


鬼「小娘が!必ずあのお方がお前らを滅亡させる!」


『受けて立つ…!』


完全に塵となって消えた鬼を確認して部屋をでて、また走り出した。



上弦にしては弱すぎる。間に合わせの補充?

だとしたらこの先油断はできない

走っているうちに人の気配を感じた。

『ッ、びっくりした』

曲がり角で出くわしたのは実弥だ。

「おォ、無事だったか、動けるか?」

会うなり視線は私の口から垂れている血を追っていた?

『左腕の骨と顎の骨が』

「戦えるか?」

『この通り…ッです!!』

目の前に現れた鬼を斬って見せると実弥は悪そうに笑った。

「そう来なきゃなァ」

私たちには息つく間もない。

「カァーッ」

『鴉くん…』

「上弦ノ壱トノ闘イニ加戦シロッ!!」

「ハッ、面白ェ」

『壱…ね』

「行くぞォ、こっちだ」

『うん』

先を走る実弥の後を追いながら出くわす鬼を斬る。

「上弦の伍、殺ったらしいじゃねぇか」

『そこまでの強さではなかったの、そこが不可解』

「問題ねェ、結果が全てだ」

『ありがとう、でも…すごく嫌な予感がする』









こういう時の予感は的中してしまう。

上弦の壱がいると思われる部屋に飛び込めば、

胴を真っ二つに刻まれた玄弥が今まさに殺されかけている所だった。


『あぶない、実弥!』


咄嗟に声をかけようと振り返った時にはもう隣にいた実弥はいなかった。


「ッ、玄弥ァ!!」



全身の血が沸騰したかのような怒りを覚えた私は、実弥を追って地を蹴った。

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パチ麻呂(プロフ) - snowさん» コメントありがとうございます。最後の部分は個人的にこだわっていたシーンなので嬉しいです!続編の方も楽しんで頂けたら嬉しいです! (2020年11月8日 16時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
snow - パチ麻呂様!とりあえずお疲れ様でございました!もうすごく感動的というか、画面の前で号泣してしまいました。ありがとうございました。高評価して、続編に飛んでいきます!これからも応援してます! (2020年10月28日 22時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - お返事ありがとうございます!性癖っていうんですかw続編も見させて頂いてます!これからもよろしくお願いします(*'ω') (2020年6月22日 21時) (レス) id: 02b4f910b1 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - みーささん» うわわ(;_;) すっごく嬉しいです、、!こういうオチが性癖なので受け入れていただけるのは本当にありがたいです(( 続編でも当作品よろしくお願い致します! (2020年6月16日 1時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - コメント失礼します。どストライクな作品でもう号泣しました(TT)ありがとうございました!! (2020年6月15日 21時) (レス) id: 02b4f910b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パチ麻呂 | 作者ホームページ:ないです〜  
作成日時:2020年5月4日 0時

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