三十三躍 妨害してくる奴に限って助っ人が必要 ページ32
「…そしてわっちが保健名簿を職員室から取りに行ってる間に神楽が来て今に至るわけじゃ」
随分長く感じた月詠の話。そう感じているのは神楽だけではなく信女や高杉も同じだった。
「…ツッキーの話はわかったアルケド…、話長くね?」
「ん、…俺寝てた…?」
「あれからこの回入れてもう七躍になるけど、さすがに長かったわ」
「すまないな。どうも話す事多過ぎて簡潔にまとまらんくて…」
月詠も月詠で話し疲れたせいか、声が少し掠れていた。コホッと小さく咳き込むといつの間にか用意したコップを手に取り、水で喉を潤す。
「…まあ兎に角わかったと思うが、神楽、信女。高杉は今年の新入生の為に動いとった。決して何も心配要らん。そして高杉。また子は主のせいではないが、おそらく主の行方が分からなくなったせいで休んだのやもしれん。今後の主らの為にも何とかしておくのだぞ」
それを聞いた高杉は突如月詠達の方へ背を向けるように寝返った。そして暫くの沈黙の後、彼は背を向けた体勢のままポソッと問いかけた。
「…先生は俺にあいつを学校に来させろと行ってんのか?」
「さあな。どう捉えるかは主次第じゃ。ただ…、また子にとって主は大切な存在であるかは確かじゃぞ」
「……」
月詠の返した言葉に彼は答えなかった。そして穏やかな寝息が聞こえてくるまで彼女達はそこを離れなかった。
****
あれから数日経ち、相変わらずまた子は学校に現れない。
その事が気になった信女はお昼のランチタイム、屋上で神楽に聞いてみることにした。
「ねえ神楽。あの後また子のお見舞い行ったのよね?」
その質問に彼女は「あー…」と意味深な反応を見せると信女から目を逸らし、代わりに眼前に広がる我が校のグラウンドを眺めた。
「…そうしたいって言ったケド…、何故か
「そうだったのね。それにアイツがそんな事を…」
信女はそう呟き、少し怪しく微笑んだ。その笑みは普段なかなかお見受けできないのだが、神楽はそれに気づかずグラウンドを眺めたままため息混じりにぼやいた。
「うんざりアル。また子に会いに行けないし、内緒で行こうとしても高杉の野郎に見つかるし…」
「……神楽、つまりそういう事なのよ」
信女は神楽の手を取るといきなり歩き出した。
「ちょ…、どこ行くネ?」
「作戦実行しに行くの。アイツが会うの止めてくる原動力が私達なら押すのも原動力の私達の役目でしょう」
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白玉(プロフ) - 面白すぎる..さすがプリン!!ww (2017年10月1日 8時) (レス) id: d7b0293ef7 (このIDを非表示/違反報告)
プリンちゃま(別垢)(プロフ) - みかんさん» みかんさん、ありがとうございます!『面白い』と評価して下さってマジで嬉しいです!!これからも応援ヨロシクお願いします★ (2017年4月8日 20時) (レス) id: 5afe51ca08 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白かったです!沖田と神楽の所が特に面白いです!これからも更新頑張ってください!応援しています! (2017年4月8日 19時) (レス) id: 7cb491045b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:交差点プリン | 作成日時:2017年3月31日 18時