三十躍 誤解が解けるとまた新たな疑問が湧くモンだ ページ29
そして高杉は語りだした。集団の一人が高杉に話しかけた要件を。
その内容をまとめるとこのような事だった。
どうやら彼らは銀魂高校の今年の新入生らしかった。
彼らは春雨校の中でも現在恩恵派で通っているらしく、協力してほしいというのはもうすぐせまっている入学式と関係していた。
「俺は単に銀魂高校の先輩として入学式の準備を手伝ってほしいと頼まれただけだ」
「じゃ、じゃがあの時の恰好…どう見たって悪い感じのヤンキーじゃったろ!ほぼモヒカンじゃったし!」
「いやあの恰好はただの好みらしい。その好みのせいもあってどうやって普通の恰好ができるのか入学式の日に高校デビューしたいから、それも兼ねて準備の協力をしてほしいと言われた」
そう、彼らは高杉を入学式の相談に呼び出しただけだったのだ。絡まれているように見えたのは単に彼らの恰好のせいであった。
そして、昨日の高杉たちの真相を知った月詠は
「………マジか」
この言葉しか言えなかった。
全てを話し終えた高杉は月詠に背を向けると、「俺ァまた遅れて学校に来る」とだけ言い残し保健室を後にした。いや、彼らの協力のために学校を一旦去ってまた来るのだろう、学校を後にした。
「…銀八の言う通りかもしれんな」
ーーーー奴は落ち着いてきてるからな。
彼は変わってきている。変わろうとしている。
月詠はそう思いを巡らせると口角をふっと上げ、彼が出て行ったドアを暫く見つめていた。彼の背中を見守るように。
一時間目のチャイムが鳴る寸前になるとドタドタと保健委員、ではなく新八が走ってきた。
「月詠先生…!提出遅れてすみません!今日保健委員が欠席で誰が持っていくかじゃんけんがはじまって決まらなくて、次に押しつけ大会がはじまって地味コンビの山崎さんといい勝負になったけど銀八先生が最後の一票を僕に入れたせいで結局僕が届けることになり、遅れてしまいました!!」
「……主も大変じゃな」
最も3Zらしい理由に苦笑しながらも、月詠ははたと新八に訊ねた。
「保健委員が休んだと言っていたが、もしかしてまた子か?」
「はい。その健康観察ノートに書いてある通り高杉さんは分かりませんが、今日は保健委員の来島さんが休んでて…」
「…そうか」
新八が出て行った後、月詠は神楽に訊いてみようと思ったがこちらが一方的に知っているだけなのを思い出しその考えを打ち消した。
月詠は煙管を加え直し、フゥッと煙を吐いた。
「何があったんじゃ?また子」
三十一躍 馬鹿と馬鹿力はたまにはuseful→←二十九躍 キメちゃうのもちゃんとした理由がある
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白玉(プロフ) - 面白すぎる..さすがプリン!!ww (2017年10月1日 8時) (レス) id: d7b0293ef7 (このIDを非表示/違反報告)
プリンちゃま(別垢)(プロフ) - みかんさん» みかんさん、ありがとうございます!『面白い』と評価して下さってマジで嬉しいです!!これからも応援ヨロシクお願いします★ (2017年4月8日 20時) (レス) id: 5afe51ca08 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白かったです!沖田と神楽の所が特に面白いです!これからも更新頑張ってください!応援しています! (2017年4月8日 19時) (レス) id: 7cb491045b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:交差点プリン | 作成日時:2017年3月31日 18時