黄色い花束を君に・ARS【３】 (ページ31)

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ダンが、智さん直伝のルアーで釣り上げた魚。

ブラストのみんなが出発して行った後のことをつらつらと思い出していたら、

「A？どうしたんだい？
忙しいなら無理しないでいいんだよ？」

リサさんが私の肩に手を置いて声をかけてきた。ボンヤリしていたので驚いて肩を震わせてしまったけれど、急いで首を振った。

『魚を見てたら色々思い出しちゃって。
お手伝いさせてください。でも、みんなが留守番してるので夕方までですが。』

「十分だよ、ありがとうね。」

リサさんはさてとと魚を抱えてキッチンに向かう。私も急いで後をついていった。

ダンが釣ってくれたお魚と、あの後宿屋に納品に来てくれた乳製品を使ってスープやグラタンを作る。

リサさんはカルパッチョやサラダ。

ウロコや骨を素揚げにしておじさんたちのおつまみを作った。

食堂にとりどりの料理ができた頃、泊まり客や村の人たちが待ち兼ねたように入ってきた。

そこには、村長さんの姿もあった。

「やぁ、A。久しぶりだね。元気にしてたかい？
商売の方はどうだい。困ってる事はないか？」

私を見つけるとすぐ様声をかけてくれた。