黄色い花束を君に・ARS【３】 (ページ16)

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そんなこんなで、

精霊さんや和也さんのお陰で、翔さんに依頼された薬は三日で作りきることができた。

そして出立の日。

村では大規模なお見送りの儀式が行われていた。

本当は私は参加したくなかったのだけれど、できた薬を渡さねばならないので急いで村にむかった。

村の門につくと、門番は締め出しはしないものの、邪魔者を見るような目で見るので、いい気持ちはしない。

しかも、大量に入っている薬のカバンを見て検分すると言い出す。

いつもはしないのに。

『いつもの荷物よ。急いでるんだから通して。』

「何言ってんだ。今日はお見送りの日だ、魔物の仲間が何か持ち込んでは困るんだ。」

『言いがかりはよしてよ。』

せっかくの薬をダメにされては困る。

仕方なしにカバンを開けようとすると、

「何をしてるんだ！これは勇者の注文の品だ。

勝手に漁っていいもんじゃない。

しかも、Aの荷物だけ検分するってどういうことだ！

それが門番の役目か？」

門番の腕を掴んだのはモーリおじさんと道具屋のおじさんだった。

「お前達は何を聞かされてるかわからんが、Aにひどい扱いをしてるのはもう我慢ならねぇ。

教育しなおしてやる。」

モーリおじさんは昔から村の守りの長だった。

そのおじさんからの再教育。

門番は顔を青ざめる。

もう、私に言いがかりをつけてる場合ではないようだ。

道具屋のおじさんが私の手を取って広場にむかった。