仮 (ページ3)

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試合後、友達は彼氏と帰るらしくその場で別れた。

まだお昼過ぎだし私も折角だから少しカフェでも寄って帰ろうかなとか、新学年だから新しいお弁当箱でも新調しようかなとか考えながら試合場所近くの商業施設へ向かった。

普段あまり来ない地域だからか見るもの色々が新鮮で、春の気候も相まってとても心地よく歩いていた。

商業施設に着いてお弁当箱を見ていると、男の子の集団が楽しそうに話しながら通り過ぎた。

あ。

それは紛れもないサッカー部の男の子達で、何人かと楽しそうに笑いながら春原百瀬くんも居た。

普段はあんな風に笑ってるんだ。

あれが噂のキラキラ笑顔か。

そんな風に眺めていたら本人とバチっと目が合った。

すると集団から離れて1人近寄ってくる春原くん。

「Aちゃん？だよね？」

「えっ、」

やばい眺めてたのバレた恥ずかしい、とか

なんでこっちきたの、とか

名前知られてた、とか

いろんな気持ちで言葉に詰まっていると、

「今日試合見てくれてたでしょ？挨拶する前に帰っちゃってたから会えて良かった！来てくれてありがとう！」

目の前で私に向けてキラキラ笑顔を直に浴びせられた。

「ーーうん、楽しかったよ。お疲れ様」

「ありがとう！またいつでも遊びにきてよ、次はオレのスーパーゴール見せちゃうから！」

バイバイ！と手を振って集団へと戻っていく春原くん。

なんていうか、

なんていうの？

話してみての第一印象は、人たらしそうな男の子、だった。