第六話 唐沢の失態 ページ7
カランカラン
「有難うございましたー」
喫茶店の店員さんの声が聞こえる。
待ち合わせの時間まであと十五分。充分に間に合う。
お札と小銭の入った小銭入れをカーディガンの
勿論彼はお会計時の金額に放心したままだ。
三門の街並みを観光しながら歩けば時間などあっと云う間で、気付けば待ち合わせの時間になった。
近くのテレビではボーダーの事が取り上げられていて"嵐山 准"と云う青年が映っていた。
何処か昨日の青いジャケットの彼に似ていて、淳ははて?と頸を傾げる。
『敦さん 時間です』
「え?」
淳の言葉に敦は頸を傾げる。と同時に彼女たちの近くに車が泊まった。
運転席からは昨日の唐沢が降りてくる。
『唐沢様 昨日振りですね
ではボーダー本部基地へ行きましょう』
ニコリと笑う彼女の目の前で唐沢は内心悩んでいた。
彼女たちを後部座席に座らせ、運転席に戻るとシートベルトを締める。
拙いな。
唐沢はそう考える。
手汗で滑る手を何とかしながら唐沢はハンドルを握る。
昨日の条件、既に此方が破っていた、なんて云える訳が無い。
.
.
.
昨日、武装探偵社からボーダー本部へと戻ってくると真っ先に顔色の悪い忍田が駆け寄ってきた。
「唐沢君済まない!」
茶色の此れ又大きい封筒を押し付けてきたノーマルトリガー最強の男に唐沢ははて?と頸を傾げた。
彼は私に何かしたのだろうか。
思い返すが何も出てこない。
「此方側の落ち度だ!本当に済まない!」
そう云いながらフラフラと去っていく忍田の姿を見届けながら唐沢は唯々呆然としていた。
やっとの事で状況を理解した唐沢は取り敢えず煙草の箱を手にすると喫煙所へ向かう。
喫煙所に着いた唐沢はソファーに腰を下ろすと忍田から受け取った封筒を開いた。
多少の分厚さは或ったが中身を見て瞬時に忍田が疲れ果てていた理由を理解した。
成程、そう云う事か。
封筒の中身は武装探偵社についての資料。
主に社員の経歴についてだった。
先程の会話をイヤホン型の通信機で聞かれていたようだ。
だとしても仕事が早い物だ。
はぁと溜息をつきながら唐沢はがくりと肩を落とした。
武装探偵社には悪い事をしてしまった。
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RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。ワートリと文ストのクロスオーバーの話なら考えているのですが銀魂の方は大まかなストーリしか知っていないのでご期待に添えるかは分かりません。なかなか占ツクに顔を出す事が出来ませんがこれからも宜しくお願いします。 (2017年9月23日 18時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーとコラボかトリップか転生した黒バスかアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体調にきよつけてがんばてください。 (2017年9月23日 16時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。なかなか占ツクに浮上する事ができませんが更新頑張りたいと思います。 (2017年6月17日 22時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - ウォォォ!続きが気になります。(>_<)更新頑張って下さい! (2017年6月17日 14時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ふにゃたさん» コメントありがとうございます。更新頑張りたいと思います。 (2017年4月3日 21時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨雫 | 作成日時:2017年2月24日 23時