第二十九話 太宰の趣味 ページ30
『なんて ね
人を
ませんよ』
『今はね』彼女の小さな呟きが聞こえたのは太宰だけだ。
暗い琥珀色の瞳が此方を見つめる。
『まぁ 今の冗談は置いて
ますね』
にこりと笑みを浮かべ彼女は云う。
『彼は武装探偵社の同僚で或る太宰 治君です
何時も此のような感じですがお気になさらずに
彼が
『ふふふ』と笑みを浮かべ乍ら核爆弾級の発言をする淳に目を見張る。
『太宰 治』と紹介された青年はとても容姿端麗で、にこにこと笑っている顔しか見ていないがきっと頭の切れる男なのだろう。
現に彼女の冗談に対して少しも驚く様子が無かった。
「
根付が恐る恐る訊く。
待ってましたとばかりに太宰は目を輝かせた。
「自_殺方法にも色々あるのだよ
頸を吊ったり 冬の冷たい川に飛び込んだり
でも今は美人と心中が一番なのさ」
「ひぃ」と根付が声を上げる。
其の顔は真っ青で今にも倒れそうだ。
城戸は至って普通。忍田は疲れたと云わんばかりに深く溜息をついている。
其の様子を見ながら同情するように淳も溜息をついた。
『一回貴方に無理矢理連れられて川に飛び込みまし
たけど
其の後の回収は国木田さんがしたんですからね?』
あの時の国木田の怒りようは物凄かった。
武装探偵社に着いた後、太宰を縛り上げ部屋に閉じ込めた
あの後漫画のようなたんこぶが太宰に何個もできていて、谷崎と一緒にギョッとした記憶が或る。
『もう善いでしょう
太宰君が武装探偵社の一員で在ると確認できた訳
ですし・・・
私は捜査の続きに戻りたいのです』
『ねぇ 城戸様』そう云う彼女の瞳は何処までも暗く鈍く光っていた。
夕陽色の瞳が今は燃え盛る炎の色にしか見えない。
城戸は口を開かず無言に為った後、重々しく云う。
「判った・・・此の話はもう終わりだ
太宰君の事も今回はお咎め無しとしよう」
「城戸司令!」鬼怒田が声を荒らげるが城戸は聞こうとしない。
『有難うございます』
にこりと笑い、淳は太宰の砂色の外套の端を引っ張った。
『ほら行きますよ太宰君
今日は貴方が
太宰の厭がる声を淳は無視し乍ら、二人は去って行った。
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RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。ワートリと文ストのクロスオーバーの話なら考えているのですが銀魂の方は大まかなストーリしか知っていないのでご期待に添えるかは分かりません。なかなか占ツクに顔を出す事が出来ませんがこれからも宜しくお願いします。 (2017年9月23日 18時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーとコラボかトリップか転生した黒バスかアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体調にきよつけてがんばてください。 (2017年9月23日 16時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。なかなか占ツクに浮上する事ができませんが更新頑張りたいと思います。 (2017年6月17日 22時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - ウォォォ!続きが気になります。(>_<)更新頑張って下さい! (2017年6月17日 14時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ふにゃたさん» コメントありがとうございます。更新頑張りたいと思います。 (2017年4月3日 21時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨雫 | 作成日時:2017年2月24日 23時