第二十一話 『敵を騙すなら__』 ページ22
「うわあぁぁ!?」
迅は敦の虎化した手を見て後退りしながら叫んだ。風間の目も限界まで見開かれている。
が、流石
「此れは・・・スゴイな」
迅は敦の虎化した手を確かめるように触りながら云う。
「風間さんも触ってみてよ!フカフカだよ!」迅の言葉に風間は無言で近寄り其の手に触れた。
敦は無言で触る風間と笑みさえ浮かべる迅を冷や汗を流しながら見つめる。
此の二人、意外と優しそうな人たちだ。
敦の緊張が解れたのか口元は微かに笑っている。
其の様子を淳はうんうんと頷き見ていた。
『判りましたか?此れが彼の能力です』
異能力を知らない様子から敦がかつて人食い虎と呼ばれていた事も知らないだろうと考えての行動だ。
予想は大
敦に能力を発動させたのには"二つ"理由が有った。
一つは自分の異能力の力を相手に知らせない為。
淳の能力は使い方によっては人さえも操ってしまう。
此の場合、下手に自分の力を見せ付けると後で不利になってしまう。
淳は其れを危惧していたのだ。
そして二つめ。
敦たち三人の様子を見ながら彼女は或る"気配"を感じていた。
痛い程突き刺さる視線はじっとりとしていて、淳は其れが直ぐに今回の犯人による物だと理解していた。
勿論三人は気付いていない。
『敵を騙すなら先ずは味方から』
其の言葉通り、彼女は敢えて視線の事は言わずに黙っていた。
視線を感じたのは空閑たちと別れて直ぐ。
最初は彼等だと思っていたが其の考えを直ぐに彼女は否定した。
何故なら彼等にはメリットが無いから。
知った処で何になる。
次に考えたのはボーダー側による監視。
本部に入ってから会議室に着く迄、謎の気配を淳は感じ取っていた。
なら此れは彼等が私たちを護る為に隊員の内の誰かを付けさせたのだ、と彼女は考えていた。
考えは矢張り中り、風間が通信機で何者かと連絡を取っていた事で確信した。
なら今感じる視線は何だ。
考えが行き着く先は一つ、
私が気付いていないとでも思っているのですかね?
純粋な笑みと云う仮面を貼り付け、彼女は内心如何やって犯人の正体を突き止めるか愉しんでいた。
第二十二話 社員寮への帰路にて→←第二十話 人虎君と銀髪さん
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RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。ワートリと文ストのクロスオーバーの話なら考えているのですが銀魂の方は大まかなストーリしか知っていないのでご期待に添えるかは分かりません。なかなか占ツクに顔を出す事が出来ませんがこれからも宜しくお願いします。 (2017年9月23日 18時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーとコラボかトリップか転生した黒バスかアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体調にきよつけてがんばてください。 (2017年9月23日 16時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。なかなか占ツクに浮上する事ができませんが更新頑張りたいと思います。 (2017年6月17日 22時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - ウォォォ!続きが気になります。(>_<)更新頑張って下さい! (2017年6月17日 14時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ふにゃたさん» コメントありがとうございます。更新頑張りたいと思います。 (2017年4月3日 21時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨雫 | 作成日時:2017年2月24日 23時