第三十三話 城戸と赤髪の青年 ページ34
コツコツコツ＿＿＿＿
すっかり日も暮れ、ヨコハマの街を満月が照らしていた。
人通りの少ない路地を城戸が歩く度に乾いた革靴の音が辺りに響く。
コツリ＿＿＿＿
城戸は一度立ち止まり空を見上げた。
澄み渡った空を眺め、軈て溜息を一つ付く。
＿＿＿あの後、彼の行方を掴む事はできなかった。
行方処か、生死さえ不明。
彼は此の数年で姿を消したのだ。
満月の光が城戸を嘲笑うように輝く。
全く、こんな日は酒でも飲みたい物だ。
溜息を再び付き、城戸は歩を進める。
「・・・あれは・・・・・」
月明かりの下、微かに明るい光が見えた。
コツコツ＿＿＿＿
近付くにつれ其れが看板で或る事に気が付いた。
看板には「バー」と書かれていて、店の外からも微かに流れているのであろう音楽が聴こえた。
ジャズミュージックか＿＿＿＿＿。
城戸は無意識の内に其の店へと足を踏み入れた。
.
.
.
先程の路地とは打って変わって賑やかな店内。
各自が思い思いに酒を選び、口に入れていた。
様々な色合いの甘そうなカクテルから、血のように鮮やかな紅の
空いてる席が少なく、仕方無く城戸は赤髪の男性が座っている隣の椅子に鞄を置いた。
「隣 座ってもいいかね？」
「え？あぁ・・・どうぞ」
独り、酒を呑んでいたらしい赤髪の男性＿＿＿否、青年と云っておこうか、は優しげな笑みを浮かべ隣に座る事を許した。
彼が呑んでいるのは度数が高いであろうウィスキー
、琥珀色に輝く其れが青年の喉の奥へと消えて行く。
「・・・君はウィスキーが好きなのか」
城戸の言葉に青年は目を細め答えた。
「何時も・・・友人たちと共に呑んでいるのが
ふ、彼の口角が上がる。
青年は一度城戸を見ると、視線をウィスキーに移した。
「俺には 勿体無い位の善い奴らです」
「今日は都合が合わなくて何時もとは違う店で独りですけど」青年はそう苦笑いし云った。
ストライプのシャツの肌けた胸元からチェーンの付いた指輪が見える。
紅い
城戸の視線に気付いてか、「はは」と彼は笑った。
「婚約・・・してるんです
とても美人で優しくて＿＿＿其れでいて儚く壊れ
易い・・・・・」
思い出すように天を仰ぎ、彼は云った。
第三十四話 ウィスキー→←第三十二話 其の正体は＿＿ ＊挿絵有り
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RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。ワートリと文ストのクロスオーバーの話なら考えているのですが銀魂の方は大まかなストーリしか知っていないのでご期待に添えるかは分かりません。なかなか占ツクに顔を出す事が出来ませんがこれからも宜しくお願いします。 (2017年9月23日 18時) (
レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーとコラボかトリップか転生した黒バスかアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体調にきよつけてがんばてください。 (2017年9月23日 16時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。なかなか占ツクに浮上する事ができませんが更新頑張りたいと思います。 (2017年6月17日 22時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - ｳｫｫｫ！続きが気になります。(>_<)更新頑張って下さい！ (2017年6月17日 14時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ふにゃたさん» コメントありがとうございます。更新頑張りたいと思います。 (2017年4月3日 21時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨雫 | 作成日時：2017年2月24日 23時
