モブ４０ ページ44
『木村、しっかりしろぉ〜』
「むり、むり、」
今にも吐きそうな木村を救護室へ連れて行った私。
救護室にいた人に助けを求め木村は救護室のベッドに腰を掛けている。
木村の背中を擦りながら私はさっきの事を思い出していた。
フリーフォールのあの係員さん信じられないような目でこっち見てたなー・・・。
ていうか
木村は未だに吐き気で
彼の瞳は涙で濡れていて、とても苦しそうだ。
『木村、大丈夫
ゆっくり息をして、吐いて。深呼吸しな』
私が耳元でそう言えば木村はこくこくと頷き苦しそうだがゆっくりと深呼吸をし始めた。
『吸って、吐いて。吸って、吐いて。
少しは楽になるはずだから。』
木村の瞳から涙がボロボロと零れていた。
私は彼の様子を見て少し後悔する。
無理をさせてしまった。
これじゃあなんらヒロインと変わりないじゃないか。
手が震える。
手が震えているのがわかってか木村は私をチラリと見た。
「柊・・・・・？」
『木村、ごめんね。ごめんなさい。
アンタは苦手だって言ってたのに、無理させちゃ
った。』
『ごめんね』いつの間にか声も震えていた。
私は木村の背中を擦りながら何度も謝る。
「気に、すんなよ。
コッチこそ、なよなよしくてごめんな？」
木村は苦しそうな表情で笑ってみせる。
あぁ、アンタはほんと優しいヤツだね。
だからヒロインも好きになるんだよ。
何処か胸がチクリと痛んだ。
ヒロインがあんな性格じゃなかったら、きっとお似合いのカップルだったよ。
ヒロインにあるような可愛らしさも女子力もない私。
こんな優しくてカッコイイ木村に釣り合うわけないじゃないか。
私はモブ。
あの子はヒロイン。
庶民とお姫サマじゃ何もかも違うのよ。
でも、それでも。
私は木村を見つめる。今にも瞳からは涙が零れそうだった。
こんな私でも、彼に好意を抱いてもいいですか？
＿＿＿＿いや、違う。
熱い涙が頬を伝う。
どうかこんな私を彼の隣にいさせてください。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
一応話の終わりについて考えました。
多分もう直ぐ完結します。
木村との関係を決めつつ、ヒロインちゃんとも少しは絡ませなくてはいけませんね・・・。
続く (更新停止中)
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明太子 - いやぁ、夢主めっちゃイケメン出くわすすね。そして父になる木村君可愛いです。かっこいいです。更新待ってます！ (2021年4月6日 19時) (
レス) id: d3d949044b (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - めっちゃ面白いです更新楽しみにしてます！ (2017年11月5日 16時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - 夢猫さん» ありがとうございます。頑張ります。 (2017年2月7日 7時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
夢猫(プロフ) - わかりました。気長に待ってますね(^^) ゆっくりでいいので、思い付いたら更新してください。 (2017年2月6日 1時) (レス) id: 9920389b24 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - 碧葉ユリさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです。更新頑張ります。 (2017年1月7日 14時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RAIN@元アラジンlove | 作成日時：2016年12月26日 13時
