【ワールドトリガー】白髪少女の備忘録【天羽 月彦】

白髪８６ ページ18

「あ、来た来た」

「おーい、天羽！」


佐鳥達が食堂の席に座りこちらに手を振っている


「ごめんね、急に」


笹森は天羽に謝った


「別に、いいけど・・・・」


天羽は少しむすっとしながら笹森に勧められるままに席についた

向こう側の席には不機嫌そうにジュースを啜る菊地原とそれを咎める歌川、ゲーム機を弄る半崎が座っている


「別役は今日は防衛任務で集まれないって」

「確か小荒井と奥田もだよな」


それぞれ小腹が空いているのかお菓子を口にしつつ話を始めた


「なぁ、天羽〜」


目の下に少し隈のある佐鳥が聞いた


「最近おまえレインちゃんと仲良いだろ？
」

「レイン？」


天羽は首を傾げた


「大規模侵攻が終わった少し後位から噂があるんだ
よ

"Ｓ級隊員の天羽 月彦がレインっていう
女の子に恋をしてる"って 」


佐鳥はテーブルに顔を伏せ、ぐすりと鼻を鳴らした


「佐鳥、最近忙しくてさ

そんな噂を聞いて、とうとう我慢の限界が来たみ
たいで・・・・・」


笹森は付け足すように言った

笹森の言葉に佐鳥は「だって！！」と叫びテーブルを強く叩いた


「佐鳥は嵐山隊として最近仕事ばっかしてるんです
よ！？

寝不足だし、イライラするし！！

そんな時にこの噂！！」


話を聞いていた歌川は密かに佐鳥を気の毒に思ったた


「佐鳥だって、女の子の１人位仲良くしたいのに！
！」


怒りのあまり佐鳥は天羽の肩を掴み揺さぶった

歌川が顔を真っ青にして佐鳥を止めに入る、流石の半崎もゲームを置き佐鳥を止めた


揺さぶられた天羽は口元を押さえふらふらとしている


「気持ち、悪い・・・・・」


「うっ」と嘔吐く天羽と未だに騒ぎ続ける佐鳥を尻目に菊地原はふぅとため息をついた


「何、これ・・・・・」


あぁ、今日は本当に騒がしい＿＿＿＿＿





.







.







.




視える＿＿＿＿＿


普段の様子からは想像出来ない程泣き叫ぶ天羽の姿が＿＿＿＿＿＿


身体中から血を滴らせ満面の笑みを浮かべるレインの姿が＿＿＿＿＿



そんな２人の様子を見ても動けずにいる自分の姿が＿＿＿＿


視える、視える、



「うあぁっ・・・・・！？」


そんな未来から目を逸らすように迅は跳ね起きた


冷や汗が身体中を伝い、瞳からはボロボロと涙が零れていた


「・・・・・まずい」


疲労からか玉狛のソファーで寝ていた彼は素早くトリガーを起動し外に飛び出した

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