助けられた人 ページ9
夢主side
「菊地原!」
「言われなくてもわかってるっ」
ザシュ、という音と共に私の身体が急に宙に浮いた様な感覚に陥る。瞼をうっすらと開くと、
『…………へ?』
お姫様抱っこされている。知らない人に。横には倒れたあの白いのが。口の中の丸いの?が真っ二つに切られている。助けられた、のかな。
「風間さん、一般人市民を保護しました。安全な所まで運んできます。」
『え……あの……』
「……なに?」
『アッいや、なんでもない、デス……』
……この子、凄いカッコイイな。助けてくれたからフィルターでもかかってるのかな。いやでも顔整ってるしいい匂いするし。なんか私変態みたいだな。今心臓の音でっかいから聞こえないと良いけど……
「…あっそ。」
ととと、と私をお姫様抱っこしながら少し遠くへ逃がしてくれる。暫く走った所でゆっくりと私を下ろしてくれる。
『……本当にありがとうございます。あの、お名前を伺っても…?』
「名乗る程の人じゃないし僕。」
『ですが、お礼だけでも……』
「…………菊地原。菊地原士郎。」
『!菊地原さん、ありがとうございました!』
お礼をした後、危ないから、とすぐにその場を離れさせられた。
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作者名:とめぇとぉ | 作成日時:2021年3月31日 0時