退院 ページ19
翔ちゃんに移植された俺の骨髄は、見事生着して。
無事、翔ちゃんも元気になった。
「ぱぱ〜！」
「しょーちゃん！」
「おーち！」
「うん、帰ろうね！」
約１年。
入院していた翔ちゃんも、やっと大好きなおうちに帰れることが決まった。
今さっき、大ちゃんが教えてくれた。
「・・え？」
「うん！今、大ちゃんが！」
「やった！翔ちゃん、おうち帰れるって！」
「おーち！かるー！」
「うん！早く帰ろうね！」
入院中、たくさんことばを覚えた翔ちゃん。
会話ができるようになってきて、おしゃべりが楽しいのか、ずーとおしゃべりしてる。
「よかったな、翔。おうち帰れて。」
退院当日、潤は夜勤、大ちゃんは休み
(和が言うには、“絶対合わせた・・・”とのこと。)
「おーち、かるー！ぱぱ！」
「うん、パパとママと翔のおうちに帰ろうね。」
「かーる！
じゅー、おー、も？」
「潤くんとおじさんも？」
「おいこら。誰がおじさんじゃい。」
「おーちゃんだよね？」
「お兄ちゃんでしょ？」
「絶対おじさん」
「そういうのは、和だけだから。」
「お兄様とお呼び！」
「絶対やだ！」
「だー！」
・・・え？
翔ちゃん
「やだ？」
「だー！」
「ほら、やだって！」
「だーの！」
「これ、やだだね。」
またひとつ、言葉を覚えた翔ちゃん。
・・だけどね？
「ヤダは覚えなくていいよ・・。笑」
「ぱーぱ！だっこ！」
「はっきりだっこが言えてる・・・！
しょーちゃーん！」
こんなかわいく、上手に抱っこなんて言われたら、パパは抱っこしない選択肢はありません！
翔ちゃん、これからもパパに抱っこさせてね？
「おかえり、翔ちゃん。」
「おかーりー」
「んふ、翔ちゃん ただいま だよ」
「たま？」
「そう“ただいま”」
「たーま！」
「おかえり、翔ちゃん」
ほんと、おかえり。
翔ちゃんはもちろん。
「和も、おかえり。」
「・・ただいま。」
「さみしかった・・」
「今日からまた、３人で過ごそうね。」
「うん！」
“ただいま”っていえば“おかえり”って返ってくる。
当たり前の事のだけど。
それが幸せなことって、わかったから。
「翔ちゃん、和、おかえり」
「ただいま、まーくん。」
「たま、ぱーぱ！」
「おかえり」
「ただいま。」
「あー、やっとゆっくり寝れる。」
「翔の謎の夜泣きも終わるといいね。」
大丈夫。
だってここは、翔ちゃんのおうちだもんね？
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作者名：蒼空 -Aoi- | 作者ホームページ：http://id15.fm-p.jp/637/a25oisho/
作成日時：2018年1月25日 19時
