4話 ページ5
「笑うよ、俺だって」
そう言った白夜叉の顔は、どこか寂しそうだった。
そんな彼の顔を見たとき、私はどこか安心した。
戦場を駆ける夜叉。
数えきれない数の人を手にかけたであろう白夜叉という人物の人間性が垣間見えたからだ。
だから、もっと知りたくなってしまった。
「白夜叉は、なんで戦うの?」
「取り戻したいものがあんだよ」
白夜叉はその取り戻したいもの、とやらを語ることはなかった。
「お前は?」
「私?ないよ。戦う理由なんて」
「嘘つけ。
人間なんの理由もなしに剣を震えるほど強かねぇよ」
そう言う白夜叉の顔はやはりどこか悲しそうで。
こんな悲しみを背負っていたら、白夜叉という人間がおかしくなってしまうのではないかと思ってしまった。
「そうだね。じゃあ訂正。
私は戦う理由がないんじゃなくて、戦う理由がなくなっちゃっただけ」
86人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛 - 最高です!胸がどきどきして止まらなかったです!泣きそうになりました。 (2023年1月8日 21時) (レス) @page28 id: 2bc0f45ebb (このIDを非表示/違反報告)
けんそう(プロフ) - kayaさん» そんな風に言ってもらえてとても嬉しいです!至らない点もあったかと思いますが、そう言ったコメントがとても励みになります。ありがとうございます! (2018年8月8日 8時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - なんだか読み終わった後、目頭があつくて、気づいたら涙が出ていました。文章が綺麗な素敵な作品だったと思います。 (2018年8月8日 0時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:けんそう | 作成日時:2018年6月10日 21時