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22話 ページ23

「俺さ、お前が好きだった」



さらりと言う銀時に、私は何も言えなくなった。



好きだった。

なぜ銀時がわざわざ過去形でそう言ったのかなんて、考えなくてもわかる。




今は好きじゃないからだ。
私のことが。



「私は、ずっと銀時のことが忘れられなかった。




恋でも、愛でも、そんなもの何一つなかったけど、あなたのいない夜は凄く寂しかった。




10年ぶりにあなたを橋の上で見つけて、すれ違った時悲しかった。





銀時が私のことを忘れちゃったんだと思うと凄く悲しかった。





...私はこんなにもまだ覚えてるのに。」





「お前もさ、もしかして俺のこと好きだった?」

なーんてな、なんて笑いながら冗談交じりに言う銀時に、そうだよと返す。







ああ、今気付きたくもないことに気づいてしまった。

馬鹿だ。


凄く馬鹿だ。









10年前、私たちはお互いのことが好きだったのだ。




なのに、お互い愛も恋も知らないまま、ただ体だけを重ねた。


好きなんて言う気持ちに気づけないまま、寂しさを紛らわせるために身体だけを重ねていた。



「じゃあ私たち、両思いだったの。


それなのに、そんなことも微塵も知らずに、あんなことしてたの」






銀時は頭をガシガシと書いて私を下目に見た。


「馬鹿みたいだ、そしたら」


「そうかもな」



ぼそっと聞こえてきた声に、唇を噛んだ。
きゅうっと、いつもより強く手を自分の手を握りしめる。

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- 最高です!胸がどきどきして止まらなかったです!泣きそうになりました。 (2023年1月8日 21時) (レス) @page28 id: 2bc0f45ebb (このIDを非表示/違反報告)
けんそう(プロフ) - kayaさん» そんな風に言ってもらえてとても嬉しいです!至らない点もあったかと思いますが、そう言ったコメントがとても励みになります。ありがとうございます! (2018年8月8日 8時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - なんだか読み終わった後、目頭があつくて、気づいたら涙が出ていました。文章が綺麗な素敵な作品だったと思います。 (2018年8月8日 0時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:けんそう | 作成日時:2018年6月10日 21時

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