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20話 ページ21
溢れた涙が、止まる事はなかった。
屯所の廊下に座り込んだまま、動けない。
怪我をした足のせいなのか、掻き乱される感情のせいなのかはわからない。
悔しい。
攘夷浪士の頭と対峙した時もそうだ。
私は目の前の感情で頭が一杯になって、物事の善悪すら判断できない。
「ごめん...っ」
ポタポタと溢れる涙が茶色い床に滲みを作った。
こんなところで謝っても意味がないのは分かっていた。
ごめんなさいを告げなければいけない相手は総悟で、こんなところで謝罪の言葉を述べるなんて行為は、ただの自己満足に過ぎない。
例え剣術に関する天賦の才が総悟にあったとしても、誰にも予測させないあの剣さばきは紛れも無い、彼の努力の結晶。
それを一番わかっているのは、きっと近藤さんでも、土方さんでもなく私だろう。
ずっと近くで見てきたのだから。
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作者名:けんそう | 作成日時:2018年5月11日 7時