28話 ページ29
夜になれば颯爽と現れ、酒を流し込んで行くのが常だったそのお客様さんは、3日経っても、一週間経っても姿を見せなかった。
「いらっしゃいませ！」
声を張って、そう言うのはこんなにも辛かっただろうか。
こんなにも上手く、笑えないものなのだろうか。
あの日の光景が、
坂田さんが私に唇を重ねたあの日の光景が何度も脳裏に浮かんできて、その度に私は頭を振ってその光景を自分から遠ざける。
「あんなことしといて、どこ行っちゃったんですか。」
こんな私の情けない弱音ですらかき消すくらいに賑やかな
・
はあ、と溜息を吐き、俺は額に手を当てた。
Aにあんなことをしてしまった罪悪感からか、それともどんな反応を示されるのかが怖いと思う臆病な自分のせいか。
かれこれ一週間ほど
歯止めが効かなくなって、
あの瞬間だけは、これ以上を求めてしまった。
もっと、彼女のことを知りたいと思ってしまった。
なのに、今はこのザマだ。
顔を合わせることすら躊躇う、ただの意気地なし。
「ああ、クソ。」
悲痛な叫びが、俺しかいない万事屋にはよく響いた。
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けんそう(プロフ) - ・∀・さん» 目からジャスタウェイだなんて、なんだかそう言ってもらえて嬉しいです笑！ こんな作品を読んでくださってありがとうございます！ (2018年7月4日 18時) (
レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
・∀・ - 目からジャスタウェイがでた！ (2018年6月10日 1時) (レス) id: 659241d04f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：けんそう | 作成日時：2018年3月12日 20時
