24話 ページ25
明らかに飲み過ぎである女を送り届けるため、俺はそいつの家の前まで来ていた。
そいつと酒を飲むこと、会話を交わすこと。
それを想像以上に楽しんでいる自分が確かにいた。
酔いつぶれたその女は無防備で、放って置けない。
これ以上一緒にいれば何か余計なことを言ってしまいそうで、こいつを家に届けて早く帰ろう。
そう思っていた。
ほらよ、と言ってそいつの家のドアを開け、玄関までそいつを入れてやる。
じゃあな、と言って。
それだけ言って去るつもりだったのに。
そいつは俺の手首を掴んで引き寄せた。
柄にもない事をするのはお酒のせいか、それとも本能か。
いつものそいつであればしないであろうその行動に俺は正直驚いた。
何やってるんだと、そう、声に出そうとした瞬間、酒に酔ったそいつは言った。
「ありが、と。
...銀時。」
上目遣い、酒のせいで赤みを帯びた頰。
トロンとした瞳、かかる吐息。
そこにはもう、カウンター越しに見る店員の姿はどこにもなかった。
俺は正常な思考も理性も失って、無我夢中でそいつの手首を掴み、壁に押し付ける。
壁に押し付けられた痛みのせいか、んっと声を漏らすそいつ。
「このまま帰れると思うなよ。」
店員と客と言う言い訳も、建前も全て通り越して、本能が求めていた。
今目の前にいる女を離したくないと、思ってしまった。
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けんそう(プロフ) - ・∀・さん» 目からジャスタウェイだなんて、なんだかそう言ってもらえて嬉しいです笑! こんな作品を読んでくださってありがとうございます! (2018年7月4日 18時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
・∀・ - 目からジャスタウェイがでた! (2018年6月10日 1時) (レス) id: 659241d04f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:けんそう | 作成日時:2018年3月12日 20時