22話 ページ23
アルコールが回った体はいつもに増して素直で、思っていたって言わないことを、
いや、そもそもいつもなら思わないであろうことさえ無駄に考えてしまう。
坂田さんが私の名前を呼んだ。
店員さんや、お前だなんて普段は呼ばれていたから、突然顔を近づけてそんなことを言われればおかしくなってしまいそうだ。
いつもなら望むのが怖いと思った“これ以上”を
求めてもいいと思ってしまった。
ほらよ、と言って私を玄関まで運んでくれる坂田さんの手首を掴んで、渾身の力でグイッと引き寄せる。
そうすれば、先刻のようにこれ以上ないくらいに近づいた顔。
驚く坂田さんをきちんと正面から見据えて言うのだ。
名前を呼ばれるだけでは我慢できなくなってしまったから。
「ありが、と。
...銀時。」
彼の名前を呼んでみたいと、思ってしまったから。
今夜だけはお酒の力に溺れていたかった。
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けんそう(プロフ) - ・∀・さん» 目からジャスタウェイだなんて、なんだかそう言ってもらえて嬉しいです笑! こんな作品を読んでくださってありがとうございます! (2018年7月4日 18時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
・∀・ - 目からジャスタウェイがでた! (2018年6月10日 1時) (レス) id: 659241d04f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:けんそう | 作成日時:2018年3月12日 20時