25話 ページ26
「私、10年を区切りの年にしたかったの。
もう、こんなことは辞めようって。
未練がましく、幽霊になんかなって現世に留まるのはやめようって。」
Aは涙の浮かぶ目を綻ばせ、ふふっと笑った。
「知ってた?
お盆に帰ってくる彼岸の人間は、こうやって自分の知っている人の前に姿を現しちゃいけないの。
壊れちゃうでしょ?
此岸と彼岸で__
生きているか、生きていないかで人を区別する事ができるこの世界の根本が。
だから、ずっと知らない人のふりをしてた。
そうすれば、銀時と話す事が出来るから。
Aとして接することはできないけど、一人の人間として貴方と話す事が出来る。
でも、銀時は気づいちゃった。
私がAだってこと。
私の演技、上手かった?」
「上手くねぇよ。
仕草も、表情も。
お前は隠しきれてない。
松陽のこと、お父さんって呼ぶのはやめたほうがいいぞ。」
そこでばれちゃった?と言って肩を竦めるA。
そういえば、Aは知っているだろうか。
こいつが命を捨ててまで守った坂田銀時という男が、“お父さん”を救えなかった事を。
Aは、10年ぶりのこの夏を節目にしたいと言った。
だとすれば、俺も覚悟を決めなければならないだろう。
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凛 - とても良かったです! (2022年12月20日 19時) (レス) @page36 id: 0db889cc25 (このIDを非表示/違反報告)
けんそう(プロフ) - 岩長漆@三色団子と朧大事さん» ありがとうございます!そういったコメントが一番の励みになります!今後も皆さんにお話を届けられるよう頑張ります! (2018年6月11日 8時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
岩長漆@三色団子と朧大事(プロフ) - 突然失礼いたします、岩長と申します!けんそう様の作品読ませて頂き、とても感動しました!次作の方も頑張ってください!応援しております! (2018年6月10日 22時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:けんそう | 作成日時:2018年2月10日 20時