11話 ページ12
攘夷戦争に行くと言って聞かないAを来るな、と突き放してからどれくらいの月日が経っただろうか。
「じゃ、行ってくるからな。
お前は大人しく待ってろよ。」
相変わらず不貞腐れた顔のそいつの頭をわしゃわしゃと撫でれば、子供扱いしないでと睨まれた。
そう言えば、Aはもう16歳か。
これ以上長くここにいれば、切り捨てたはずの情が湧いてきてしまうそうで怖かった。
だから、それじゃ、とだけ告げると、歩き始めた。
その時に後ろを振り返えらなかったのは、攘夷戦争に行く覚悟が揺るがないものだったからでも、
松陽を取り戻すという硬い決意の為でもなんでもない。
ただ、怖かったのだ。
自分の後ろで、Aがどんな顔をしているのかを見るのが。
「別れの挨拶はもう済んだのか。」
「ああ、もう十分だよ。
別れの挨拶なんて、気持ちのいいモンじゃねぇしな。」
その時の俺は、桂の問いにそう答えたような気がする。
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凛 - とても良かったです! (2022年12月20日 19時) (レス) @page36 id: 0db889cc25 (このIDを非表示/違反報告)
けんそう(プロフ) - 岩長漆@三色団子と朧大事さん» ありがとうございます!そういったコメントが一番の励みになります!今後も皆さんにお話を届けられるよう頑張ります! (2018年6月11日 8時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
岩長漆@三色団子と朧大事(プロフ) - 突然失礼いたします、岩長と申します!けんそう様の作品読ませて頂き、とても感動しました!次作の方も頑張ってください!応援しております! (2018年6月10日 22時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:けんそう | 作成日時:2018年2月10日 20時